幾ら資産があったら金持ちと呼べるのか。その答えはさまざまだ。 富裕層が密集するニューヨークやロンドンに住んでいる人は、年収50万ドル(約5470万円)でもディケンズの小説に描かれるようなつましい暮らしだと嘆くだろう。ドラマに出てくる資産4000万ドルのヘッジファンド運用者は、自分のことを「文無しだ!」と叫ぶ。 口の堅いプライベートバンク業界によると、2500万ドルが正解だ。投資可能資産、つまり失ってもすぐには困らない資金が2500万ドルあれば、富裕層に入れてもらえる。といっても、これはプライベートバンカーから基本のサービスを受けられる最低水準であり、富裕層の中のエコノミークラスということになる。ビジネスクラスは1億ドル、ファーストクラスは2億ドル。プライベートジェットは10億ドルといったところだ。 「ほんの数百万ドル」しか持たない顧客は相手にしないなどと、プライベートバンカーは口にしないも