米国進出企業に関連する税制といえば、書店に並ぶ本では移転価格税制や過少資本税制が取り上げられています。もちろんこれら複雑な税制への配慮も重要ですが、今回は、これから初めて米国に進出する、または、進出したばかりの中小企業が留意すべき米国税制の基本について解説します。 米国はまさに"United States"という名のとおり、州の集合体です。合衆国憲法上、連邦政府も州の課税権を侵すことができませんので、結果として州により税制は大きく異なります。 端的な例として、テキサス、ワシントン、ネバダなどの州では州法人所得税が課せられないといったことが挙げられます(もちろん、連邦法人税は課されます)。では、まずそういった州に進出することを考えることがビジネス上有利なのでしょうか? これについてはそう簡単に判断はできません。これら法人所得税が課されない州では、往々にして売上税や固定資産税が高率です。また、