戦後70年の節目の年(2015年)が終わり、新たな一年(2016年)がスタートした。2016年という新年を展望する場合、同年夏の参院選も控えている中、日本経済が抱える最も大きな課題の一つが、「増税判断」である。つまり、現行8%の消費税率を2017年4月に10%に引き上げるか否かの政治判断である。 では、なぜ増税判断が重要なのか。それは、政府は昨年6月末、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(いわゆる「骨太方針2015」)を策定し、この中で「新たな財政再建計画」を閣議決定しているからである。新たな財政再建計画では、2020年度までに国と地方を合わせた基礎的財政収支(以下「PB」という)を黒字化する従来の目標のほか、2つの目安を設けている。 第1は「PBに関する目安」で、2018年度のPBの赤字幅を対GDPで1%程度にするというものである。第2は「国の政策経費である一般歳出の伸びに関する目