国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)はIPCC第6次統合報告書を3月に公表した。現在の温室効果ガス排出量の削減ペースでは、地球温暖化を1.5℃以下に抑えるパリ協定の目標は達成できそうにない。そんな現状を再認識させる内容で「状況は想像以上に悪化している」と警鐘を鳴らした。その上、各国の排出量は国連に報告している数値よりも多い可能性が指摘されている。排出量削減ロードマップのベースが崩れる事態にもつながるだけに、温暖化対策の取り組み強化に向けた議論にも一石を投じそうだ。 (出所)IPCC第6次統合報告書を基に作成 これからの10年間、我々人類がどれだけ取り組みを強化できるかによって未来の地球環境が決まってくる。報告書の公表を受け、各国は地球温暖化対策の見直しを余儀なくされるだろう。そのためにも、地球温暖化の要因である温室効果ガス排出量を正しく把握することがこれまで以上に重要となる。 実