経営力がまぶしい日本の市町村50選(9) 山形県金山町が育てている金山杉がいかに貴重な日本の資源であるかは、建築研究所主幹で筑波大学教授の岩田司さんへのインタビュー記事『住宅産業で世界一になれる日本の実力、その理由』を読んでいただいた方にはお分かりいただけたと思う。 しかし、金山杉が大きな資産価値を生んでいるのは、単に金山町の気候が杉の育成に向いていたからだけではない。江戸時代以前から連綿と続く森を守り生かす「経営」があってこそなのだ。 今回は金山町の経営力をたっぷりお伝えしたい。戦後安い外国産の木材が入ってきても怯むことなく林業を守り続ける一方、中央集権を進め近隣市町村との合併を促す日本政府の方針にもノーを突きつけてきた。 現在、鈴木洋町長の下で徹底した合理化を進めている。借金はどんどん減り、一方で若い人たちが住みやすい環境を整えるための投資は惜しまない。またそのお金の使い方もうまい。1