「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)は、エマニュエル・トッドの幾つかのインタビューの纏めです。 トッドは、ソ連崩壊、米国発金融危機(いわゆるリーマンショック)、アラブの春を次々と予測した(ということになっている)ので、常に予見的であることを期待されています。 本書では、そのタイトルが示すように、フランスの弱体化を嘆き、ヨーロッパ全体をドイツが支配しつつあると現状を分析しています。 トッドは常に人口や幼児死亡率を重視しますが、ドイツが支配する国を含めれば、ドイツが人口でアメリカを凌駕することさえ可能なようです。 ユーロ導入は、ドイツよりフランスが熱心だったと理解されていますが、結果的にはマルクより安いユーロはドイツのユーロ圏外輸出を支援し、ユーロ圏内では、本来弱い通貨を持つべきギリシャのような国々がドイツと対等の競争を強いられ、結果的にはフランスを含めて多くの国が隷