(英エコノミスト誌 2010年1月9日号) 各国の市場は政府による持続不能な景気刺激策に依存しすぎている。今の状況が続くわけがない。 超低金利の「ただのカネ」の効果は目覚ましい。1年前、投資家たちはパニックを起こし、大恐慌の再来が語られたほどだったが、現在では、MSCI世界株価指数は2009年3月につけた安値より70%以上高くなっている。それは主として、米国、日本、英国とユーロ圏における1%以下の金利が、投資家たちに手持ち資金を取り出して高リスク資産を買うよう促したおかげだ。 昨年のパニックにもかかわらず、資産価値は一度としてほかの弱気市場が記録した底の水準までは下げなかったし、現在の反発局面で、いくつかの市場は再び割高に見えてきた。 危機の震源地だった米国の住宅市場では、住宅物件の値段は、賃貸収入に基づく利回りでは大体公正な価格がつけられているが、英国ではほぼ30%、オーストラリアと香港