マレーシアから独立した約50年前、シンガポールは小さな漁業の島だった。天然資源に乏しく、マラリアの流行や貧困に苦しめられ、民族間の緊張があり、問題ばかりが山積していた。 それが今や、世界有数の豊かな国だ。資産総額100万ドル以上の富豪が総人口に占める割合は、カタールとスイスに次ぎ世界第3位。治安の良さや街の清潔さ、ビジネスのしやすさでも世界トップクラスに位置する。 ではなぜ、多くのシンガポール人は自分の国に不満を抱いているのだろう。「建国の父」リー・クアンユー元首相が3月に死去して以来、国民、特に若い層では、強権政治と規制によって縛られ、守られてきたこの国に変化が必要だと考える人が増えているようだ。 これを受けて、政府も一部の規制を緩和し始めている。 国民生活は多くの厳しい規則で縛られている。公共の場所でゴミを捨てれば、初犯でも罰金は最高1000シンガポールドル(約8万5000円)だ。 チ