経産省の原子力安全・保安院は、福島第一原子力発電所の事故が起きた3月11日の夜に、「翌日にはメルトダウン(=炉心溶融)が起きる」という保安院の予測が、菅前首相にまで伝わっていたとの認識を示した。 保安院は3月11日夜、「3月12日午前0時50分に原子炉の中の核燃料が溶け出すメルトダウンが2号機で起きる」という予測を文書にまとめ、官邸に送っていた。保安院はその文書を2日に公開したが、保安院・森山災害対策監は3日、その内容は3月11日午後11時頃には、当時官邸に詰めていた海江田前経産相から菅前首相に伝えられていたとの認識を示した。これらのデータが、周辺住民の避難指示に役立てられたかどうかはわかっていない。 事故については、被害の拡大防止などが適切に行われたかなど、事故調査委員会が年内にも中間報告をまとめる予定。
東京電力福島第一原子力発電所事故に関する政府の対応や情報公開に不手際が相次いでいることを受け、26日開幕の主要8か国(G8)首脳会議(サミット)など国際舞台での菅首相の説明に理解が得られるかどうか、懸念する声が高まっている。 首相はサミット出席にあたって英紙フィナンシャル・タイムズ(25日付)のインタビューに答え、原発事故の対応について「自分自身が報告を受けたことで『公開するな』と言ったことは一度もない」と述べ、「情報隠し」との見方を否定した。同時に、炉心溶融(メルトダウン)の判明に約2か月かかった点は、「結果として当初発表したものと違った形であったことは大変申し訳ない」と陳謝した。 首相は、サミットで原発の現状などについて説明するとともに、情報公開に努め、再発防止に取り組む姿勢をアピールし、国際社会の理解を得たい考えだ。 しかし、国際社会の視線は厳しい。メルトダウンの問題に加え、福島第一
東京電力は23日夜、福島第一原子力発電所1〜3号機は、3月11日の東日本大震災後わずか半日から4日余りの短期間で、炉心溶融(メルトダウン)が進み、原子炉圧力容器の損傷に至ったとする解析結果をまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。 東電は、暫定結果を発表していた1号機に続き、2、3号機でもメルトダウンを初めて認めた。核燃料の過熱に伴って発生した水素は、原子炉建屋を吹き飛ばすのに十分な最大800キロに及ぶことも判明した。政府は、きょう来日する国際原子力機関(IAEA)の調査団に対し、報告を説明するとともに、今後の原発事故調査委員会で詳しく分析する。 報告書は、公表済みの原子炉水位や圧力、操作記録などのデータを基に、炉心溶融の進行状況を模擬計算したもの。1号機は、再計算の結果、暫定結果より早い、地震後約4時間で炉心損傷が始まり、約15時間でほぼ全燃料が溶融して落下。圧力容器底部にある制
東日本大震災写真特集 岩手県被災地 宮城県被災地 福島県被災地 福島原発特集 柿沢氏追及「情報隠しの人事」=経産相は否定−溶融認めた担当交代 柿沢氏追及「情報隠しの人事」=経産相は否定−溶融認めた担当交代 みんなの党の柿沢未途氏は23日の衆院復興特別委員会で、震災発生直後の記者会見で福島第1原発1号機でのメルトダウン(全炉心溶融)の可能性を認めた経済産業省原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官が会見担当から外れたことを取り上げ、「この人事で本当の情報が隠されたのではないか」と、事実を隠蔽(いんぺい)した疑いを追及した。 中村氏が震災翌日の3月12日の会見で「炉心溶融の可能性が高い」と発言した直後、保安院は会見担当を交代。以降、保安院は燃料棒の部分損傷は認めたが、メルトダウンに否定的な見解を示し続けていた。しかし、東京電力は事故発生から2カ月以上たった今月15日、地震発生から16時間後にメル
原発事故の悪化は人災を超えた「菅災」だった!? 東京電力福島第1原発1号機で、3月12日に開始された海水注入は菅直人首相(64)が「激怒している」との情報を受け、55分間中断していたことが21日までに政府関係者などの話で分かった。首相は注入開始について「聞いていない」と怒り、海水によって再臨界が起こる危険性を指摘していたという。 政府発表では3月12日午後6時、炉心冷却に向け真水に代え海水を注入するとの「首相指示」が出た。だが、政府筋によると、原子力安全委員会の班目春樹委員長が海水注入による再臨界を「あり得る」とし、いったん指示を見送った。 ところが、東電は現場の判断で同7時4分に海水注入を始めた。これを聞いた首相が「聞いていない」と激怒したとの情報が入った。 東電側は首相の意向を受けてから判断すべきだとして、同7時25分に海水注入を停止した。その後、海水注入でも再臨界の問題がないこ
東京電力は21日の記者会見で、東日本大震災の発生翌日の3月12日に福島第1原子力発電所1号機で進めていた海水の注入を、首相官邸の意向をくんで一時中断したことを明らかにした。官邸側が海水注入による再臨界の危険性を指摘しているとの情報を東電側が聞き、止めたという。細野豪志首相補佐官は記者会見で「官邸は注入の事実を把握しておらず、首相は注入を止めることは指示していない」と述べた。1号機は津波で冷却機
東京電力は福島第1原子力発電所事故の収束に向けた工程表を見直したが、格納容器の損傷で漏れ出し増え続ける汚染水の処理やメルトダウンを起こした原子炉の廃炉処理には巨額の費用が必要になる。いずれも未体験の難題で、金額のめどすらみえないのが実情だ。長期にわたって東電の経営を圧迫し、利益を出すことを前提とした被害者への損害賠償金の支払いに支障が出る懸念がある。 東電では事故収束のための復旧や廃炉の費用についてこれまで言及していない。20日に発表する平成23年3月期決算では、1兆円近くの特別損失を計上し、赤字に転落するとみられているが、24年3月期以降も重い負担がのしかかる。 工程表に基づく復旧作業では、汚染水の浄化設備のほか、新たに取り付ける冷却装置や原子炉を覆うカバーの設置など大規模な工事が必要だ。建屋の爆発で飛散したがれきなど放射性廃棄物の処理にも多額の費用がかかる。 最大の難関が、原子炉の廃炉
東日本大震災写真特集 岩手県被災地 宮城県被災地 福島県被災地 福島原発特集 2、3号機も炉心溶融か=「6時間冷却できず」−工程表見直し、細野補佐官 2、3号機も炉心溶融か=「6時間冷却できず」−工程表見直し、細野補佐官 福島第1原発事故で、細野豪志首相補佐官は16日の記者会見で、2、3号機の原子炉について「6時間前後、冷却水が入らなかったとみている。炉心が溶融している可能性はみなければならない」と述べ、収束に向けた工程表をメルトダウン(全炉心溶融)前提で見直していることを明らかにした。工程表は17日に公表される。 細野補佐官は、2号機で原子炉の冷却が停止していた時間を6時間29分、3号機は6時間43分と説明。「1号機の14時間9分と比べると短いが、時間自体は決して短くない」と指摘した。 さらに、1〜3号機で燃料の一部が格納容器に落ちている可能性を示しつつ、現在の冷却状態について「ある
自衛隊ヘリから撮影した福島第1原発。(手前から)1号機、2号機、3号機、4号機=4月26日(防衛省提供) 細野豪志首相補佐官は16日、福島第1原発について、燃料のメルトダウン(全炉心溶融)が判明した1号機だけでなく「2、3号機も最悪、炉心溶融していると見ていかないといけない」との見方を示した。 3月11日の地震直後に原子炉圧力容器への冷却水の注入が途絶えた時間は、1号機で14時間9分、2号機で6時間29分、3号機で6時間43分だった… [記事全文]
自衛隊ヘリから撮影した福島第1原発。(手前から)1号機、2号機、3号機、4号機=4月26日(防衛省提供) 細野豪志首相補佐官は16日、福島第1原発について、燃料のメルトダウン(全炉心溶融)が判明した1号機だけでなく「2、3号機も最悪、炉心溶融していると見ていかないといけない」との見方を示した。 3月11日の地震直後に原子炉圧力容器への冷却水の注入が途絶えた時間は、1号機で14時間9分、2号機で6時間29分、3号機で6時間43分だったと明らかにし、電源喪失などが原因となって長時間、燃料が冷やせなかったとの認識を示した。ただ圧力容器の温度から「冷却はできている」と述べた。 東京電力は1号機では、地震から約5時間後に燃料の損傷が始まったとの暫定評価をまとめている。 東電は、原子炉の状況や作業実績を考慮して事故収束に向けた工程表を見直し、17日に発表。1号機では、圧力容器の外側の格納容器に水を入れ
細野豪志首相補佐官は16日、政府・東電統合対策室の記者会見で、「2、3号機も(炉心の溶融が)ありうるという前提で考えたい」と述べた。 その根拠として、炉内に注水できなかった時間が2号機で6時間29分、3号機で6時間43分に上ったと明かし、炉心全体が溶け落ちた1号機の14時間9分と比べても「時間は短くない」と話した。 また、1号機について「(炉心の)冷却はある程度順調に進んでいるが、懸念事項は、燃料は圧力容器の中にとどまっているのかという点。相当部分は圧力容器の中にあると見ているが、格納容器に多少は落ちていると想定される。それを視野に入れて様々な対応が必要だろう」と話した。
報道各社が先週末に行った世論調査の結果が16日、出そろった。菅直人首相による中部電力浜岡原子力発電所の停止要請については、全社で「評価する」が6割を超えた。しかし、内閣支持率は最大6・1ポイントの微増に止まり、多くの調査で危険水域の20%台から脱出できなかった。菅首相の“英断”は政権浮揚につながっていないようだ。 世論調査で注目すべきは、浜岡停止要請の「評価」の高さ。最も低い朝日新聞が62%、日本テレビは71・2%もあり、7割を超えた。菅首相は「歴史が判断」と胸を張るが、一定の支持を得たのは間違いない。 ただ、これが内閣支持率や、その他の政策評価につながっているかといえば、そうでもない。 内閣支持率は、朝日が26%(前回比5ポイント増)、毎日新聞27%(5ポイント増)、共同通信28・1%(1・3ポイント増)で、微増したものの危険水域の20%台。読売新聞では1ポイント下がってしまった。
福島第1原発1号機の原子炉建屋地下にたまっているのが発見された約3000トンの水。東京電力は、原子炉からの漏水によるものとして、格納容器ごと水で満たして核燃料を冷やす冠水(水棺)作業を「断念」し、工程表見直しへの影響は避けられない情勢だ。たまり水の外部拡散を防ぐためにも、原子炉に再び循環させるルートを模索するが、高い放射線量が障害になり、工事は難航が予想される。(原子力取材班) 「格納容器やそれにつながる圧力抑制室から漏れた水がたまったとみられる」 東電が14日に発表した、新たなたまり水の存在は、それまでの冠水作業が「夢物語だった」(東電関係者)ことを示した。 4月17日に公表した工程表では、3カ月後までに1、3号機の冠水を完了させる予定だったが、「トップランナー」(原子力安全・保安院の西山英彦審議官)の1号機の頓挫で、計画は暗礁に乗り上げた。 東電は、1号機炉心に1万トン以上を注水したが
震災翌朝、全燃料落下=1号機炉心溶融、東電解析−ベント「遅いか言えず」 震災翌朝、全燃料落下=1号機炉心溶融、東電解析−ベント「遅いか言えず」 福島第1原発事故で、東京電力は15日、1号機原子炉で3月11日の東日本大震災発生直後に起きた炉心溶融の暫定解析結果を発表した。同日午後3時半ごろに津波で冷却機能を全部喪失したとみた場合、同7時半ごろ燃料の損傷が始まり、急速に溶融して圧力容器底部に落下。翌12日午前6時50分ごろには、ほぼ全燃料が落下したとみられる。 消防ポンプで真水を注入し始めた同5時50分ごろには、圧力容器下部が損傷。格納容器への水漏れが起きたが、小規模にとどまったという。真水の注入は午後2時50分ごろ止まってしまい、直前の同2時半ごろに格納容器の圧力逃がし弁を開く「ベント」ができたが、同3時36分に水素爆発に至った。 松本純一原子力・立地本部長代理は記者会見で、当時の水位や
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