オウム真理教の目黒公証役場事務長拉致事件などで起訴された元教団幹部・平田信被告(48)の公判前整理手続きが17日、東京地裁であり、斉藤啓昭裁判長は、井上嘉浩(43)ら元教団幹部の3死刑囚の証人尋問を地裁の法廷で行うことを決めた。 地裁の判断に対し、法務・検察は強く反発している。ある検察幹部は、「教団が、元幹部の死刑囚らを裁判所への移送や公判中に奪還しようとすることだって考えられる。尋問の公開が、こうした危険を超えて重要だとは思えない」と批判。別の幹部も、「判決を出すのに、必ずしも死刑囚の公開尋問が必要なわけではない。裁判所の姿勢は疑問だ」と話した。 また、死刑囚の処遇を担う法務省矯正局の幹部は、「死刑囚が塀の外に出ると、諦めていた生きることへの執着が出て、心情が乱れることが予想される。尋問が終わっても、その後に逃げ出したり、拘置所職員の指示に従わなかったりした場合、裁判所が責任を取れるのか