ナショナルデーの「主役」を演じた「オレンジの悪魔」たち本日10月10日は10が重なるので「双十節」と呼ばれる台湾のナショナルデー、建国記念日(国慶節)だ。総統府前の広場で荘厳な雰囲気のもと行われるセレモニーは、通常、総統が演説で中国に対してどのようなメッセージを発するかばかりが注目されるのだが、今年はいささか様子が違った。 台湾社会の関心が注がれたのは、日本からやってきた「オレンジの悪魔」と呼ばれる京都橘高校吹奏楽部の高校生たちだった。 彼らの演技が始まると会場は静まり返った。およそ15分間にわたって一糸乱れぬ見事な演奏が繰り広げられ、蔡英文総統ら台湾政府の要人たちは総立ちで拍手を送った。今年の式典に限っていえば、主役は総統ではなく「オレンジの悪魔」たちだった。 「日台友情」の象徴としてなぜ台湾で最も政治的な場とも言える式典に、京都橘高校が招かれたのか。2011年の東日本大震災で、台湾から