「被告人を懲役30年に処する」。主文が告げられると、極刑を求めていた遺族は表情を失った。大阪府門真市で平成28年10月、大工の川上幸伸(ゆきのぶ)さん=当時(43)=が殺害され子供3人も重軽傷を負った事件。殺人や殺人未遂罪などに問われた小林裕真(ゆうま)被告(25)に対し、大阪地裁は4月13日、求刑の死刑から1段階下がった無期懲役ですらなく、懲役30年の有期刑を言い渡した。量刑の判断を分けたのは何だったのか。 検察「一家皆殺しを目的に」「残念で、悔しくてならない。子供たちもつらい思いをしながら、パパのためにと頑張ってきたのに」。判決言い渡し後、川上さんの妻(45)は遺影を胸に、唇をかみしめた。 判決などによると、川上さんは、刃渡り約30センチの短刀で、胸などを約30回にわたって突き刺され、死亡。さらに長女(21)、次女(19)、長男(17)も重軽傷を負った。 事件で小林被告は、川上さん方の