福岡県朝倉市の九州北部豪雨被災農地の一部が、農水省の復旧事業を受けられない問題で20日、工事を断念した農地が約200件に上ることが分かった。同市の申請漏れで対象から外れ、その後の動向が焦点になっていた。市は国と同水準の補助策を設けるとしたが、災害から1年半近くたつ中、営農意欲をなくしたり、市の対応を不安視したりする農家が工事を断念したとみられる。(金子祥也) 問題が発覚したのは今年7月。九州北部豪雨は激甚災害で、農水省の農地災害復旧事業を利用すると工事費の9割超が国庫で賄われる。同市では事業を受けるため、国に提出が必要な「災害復旧事業計画概要書」で一部提出漏れが起き、本来なら補助が受けられた農地が対象外になった。同省防災課によると、他の激甚災害も含め「例がない事態」という。 市によると、漏れたのは農地と農業用施設合わせて780件。市は代替策として独自予算で国の事業と同額を補助すると農家に伝