タックスヘイブン(租税回避地)の実態を明かした「パナマ文書」を元に、地中海の島国マルタのムスカット首相らの疑惑を追及していた同国の女性ジャーナリスト、ダフネ・カルアナガリチア氏(当時53)が殺害された事件で4日、マルタ人容疑者ら10人が関与したとして逮捕された。ムスカット首相が発表した。 カルアナガリチア氏は、パナマ文書を元に首相の妻らがマルタのエネルギー輸入に関連して中米パナマに会社を置き、大金を得た疑惑などを報じていた。10月16日に政府関係者の資産隠しの疑惑を自らのブログに書いた直後、レンタカーで自宅を出たところで車が爆発し、死亡した。 ムスカット首相は自身の疑惑を否定した上で、爆殺事件の徹底捜査を約束。米連邦捜査局(FBI)などに協力を要請していた。(ローマ=河原田慎一)