何の連絡もなしに 約200人の自衛隊医官・看護官が1万回の接種を毎日こなす、東京のワクチン大規模接種センターの現場で、憤りが広がっている。ある中堅幹部が言う。 「この前も『設置期間を9月下旬まで延長する』と決まりましたが、我々はこうした重要事項を報道を通じて知る状況。官邸は自衛隊を、事前連絡すら必要ない便利屋と思っているんじゃないか」 そもそも自衛隊は当初、ワクチンの輸送のみ担当する予定だったが、すり合わせもなく接種実務まで担うことが決まった。5月下旬にセンターが開くと、官邸は「東京・大阪で一日1万5000回」の目標をぶち上げた。 「自衛隊側は『どういう根拠の数字なのか』と問い合わせましたが、何の説明もありませんでした」(前出・自衛隊中堅幹部) 6月には、相次ぐ「予約なしの来場者」の扱いについて、菅総理が「追い返さずに打て」と言い出し、自衛隊側の反論は抑え込まれた。