「とにかく、私どもは待ちの状態です」-。東京電力福島第1原発でたまり続けるトリチウム水の処理方法をめぐり、5月30日に行われた東電と原子力規制委員会の意見交換で、小早川智明東電社長は社としての方針は明かさず、国の結論を待つ姿勢を示し続けた。「責任主体はどこなのか」「社内で議論もないのか」。規制委の叱責に言葉を詰まらせる小早川氏。1時間半の意見交換の大半は不毛なやり取りに終始した。(社会部編集委員 鵜野光博) 「責任の所在」詰問 「まず、福島第1原発の処理済み水の問題は、どこが責任を持っていると考えますか」 「二者択一で、でもいいので手短に答えていただきたい。どこが責任主体なのか。東電なのか、国の問題なのか。東電が責任主体ではないとおっしゃっているんですか」 「責任主体はどこですかと伺っています」 規制委の更田(ふけた)豊志委員長が3度問いを重ねて、小早川氏はようやく「責任主体は東電です」と
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