「延命。あれは私、断ります。分かんなくて生かしてもらうのはいや。穏やかで静かな最期を迎えたい」 人生の最期をどう迎えたいか。生前に意思表示する高齢者が増えているという。希望通りの最期をどうすれば迎えられるか、具体的な方法を考える勉強会も各地で開かれ、延命治療を希望するかしないか、「事前希望書」に意思表示を書く病院も出現している。 しかし、「その時」を迎えると希望が叶うのはきわめて難しいらしい。いざ容体急変すると、医師は家族から訴えられるのではないかと不安に駆られ、また使命感から延命治療をせざるを得ないのが現実だという。誰もが穏やかで静かな最期を望む一方、少しでも長生きをと願う家族の気持ちがある。その狭間で悩む医師を追った。 7割が「延命治療希望しない」 厚生労働省が2008年に行った調査によると、「延命治療を希望しない」37.1%、「どちらかというと希望しない」33.9%、「延命治療を