子どもたちの悲惨な戦争体験として語られてきた学童集団疎開.しかし,受入れ地域からはまた別の側面が見える.県別に割当てられた40万人近くの学童,決定から3カ月後の受入れ,食糧事情や施設の状況,戦争の激化と軍事施設までもの疎開…….埼玉県の高校郷土部の調査を契機に,地域全体が戦時体制に巻き込まれる状況を明らかにした,新たな観点からの学童疎開史. 序 章 なぜ疎開受入れ地域に注目するか 第一章 学童疎開に到る道 1 疎開政策と東京都 2 割り当てられた側の事情 3 国土計画と疎開 第二章 決定から二カ月半での大移動―― 一九四四年六月末~九月 1 縁故か集団か,ただちに決断せよ 2 翻弄される受入れ県 3 公平性を最優先した埼玉県 第三章 遠足気分の出発,激化しゆく空襲―― 一九四四年九月~一九四五年三月 1 「適切ナラザル」宿舎 2 疎開地における教育 3 冬季対策 4 疎開地にしのびよる「戦
アメリカ独立宣言とフランス人権宣言──人間の平等を謳う思想は,なぜ18世紀に生まれたのか.スミスやベッカリーアらの著作,『クラリッサ』をはじめとする小説から,パンフレットまで,当時の膨大なテクストから浮かび上がるのは,人びとの心と身体に起きていた巨大な変化──〈共感〉という文化実践だった.アメリカを代表する歴史家が,西洋近代における人権の社会文化史を描く. ■著者からのメッセージ 政治学者のベネディクト・アンダーソンは,ナショナリズムが興隆するために必要な「想像された共同体」を新聞と小説がうみだした,と主張した.「想像された共感imagined empathy」と呼びうるものが,ナショナリズムよりむしろ人権の基礎づけとして寄与したのである.それは,こしらえられたものという意味においてではなく,共感は信念の飛躍を必要とするという意味において,つまり,他の人もあなたとおなじようなものだと想像す
冷戦とは何だったのか。大国同士の駆け引きや政治リーダーを主人公とする従来の物語とは一線を画し、無数の名もなき人びとの日常的な想像と行為の連鎖と、現実政治との影響関係から冷戦初期の歴史を描く。恐怖、不安、敵意、憎悪、願望……現実は人びとにどう想像され、それは増幅拡散してどのように新しい現実を生み出していったのか。 序 章 冷戦とは何だったのか? 第Ⅰ部 連鎖する世界 第一章 名付けえないものに名前を付ける 巻き返しの嵐/何がアメリカ的なのか?(何が非アメリカ的なのか?)/占領司令部に飛び火する赤狩りの嵐/「逆コース」をめぐるローカル・ポリティクス/「逆コース」に対する中国の反応/反国民党・反米感情の広がり/米国における「中国」観/流動的な「現実」 第二章 ローカルに翻訳するということ 「我々は既に第三次世界大戦の初期段階にいる」/「ヒステリーは勘弁してくれ」/反植民地主義の時代/戦時の国家建
米外交は経済制裁、特にドル覇権を背景とする金融制裁を抜きには語れない。しかも北朝鮮やイランなどの敵対国やテロ集団にとどまらず、根拠法の「国外適用」により第三国の企業や個人も制裁の対象になり得る。なぜ経済制裁は多用されるのか。それは世界に、そして自国に何をもたらすのか。「米国第一主義」の内実を抉る渾身の一冊。 はじめに 第1部 司直の長い腕 第1章 孟晩舟はなぜ逮捕されたのか 豪華な保釈生活/米国の威信をかける/米国のスパイがいた/ファーウェイの誤算/国際緊急経済権限法/米金融システムを守る/ブラック・スワン/米中覇権争い/日本の企業も対象に 第2章 経済制裁とその歴史 三形態とその効果/安保理制裁の限界/制裁目的の多様化/戦争と経済制裁/世界大戦と禁輸/冷戦下の経済制裁/朝鮮戦争とOFAC/最初のイラン制裁/イラク制裁の失敗/米国の金融制裁は「死刑宣告」 第2部 アメリカ制裁の最前線 第3
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