産経新聞元日の「主張」から。 【年頭の主張】凜とした日本人忘れまい 家族の絆の大切さ再認識を(産経新聞) 「正月は日本人にとってお盆と並び家族団欒の光景が辛うじて似合わしい機会なのかもしれない。なぜなら家庭こそ社会の基礎単位であり、国づくりの基盤であろうから」とか「だが近現代史を振り返れば、日本は存亡の危機を一度ならず乗り越えてきたことが分かる。そしてその底流には、いつも家族の固い絆があった」とか、無理やりいじめ自殺や飲酒運転の話が出てきたりとか、相変わらずアクロバティックな論理展開なのだが。 それよりも何よりも不思議なのが、家族の絆や家族団欒の再生だの重要性だのを主張しているわりに、「労働」「就業」の問題を徹底的にスルーしていることだ。「子供の楽園」と表現された時代の子どもや大人はどこに消えたのかと問う渡辺京二氏の言葉を紹介しているが、江戸末期の社会と現在の社会環境が同じであろうはずもな