●武田さんのところより きっこの日記で紹介されていた町屋の豆腐屋の親子心中も酷い事件だと思うけれど、弱い人間に対して、その傷みや絶望を含んで少しでも共感しようとする、本当の意味での想像力が社会全体として希薄になっているのではないか。だから格差社会が流行語として消費されるしかない。 こんな話を聞いた。ある新聞の書評委員系の会議で、赤木智弘の論座寄稿『丸山真男をひっぱたきたい』が話題になったとき、「若いうちって一度は戦争を望むとか言いたがるんだよね、ハッハッハー」で話は終わってしまったのだという。赤木がどういう立ち位置からその原稿を書いたかなんて全然分かっちゃいない。分かろうともしない。知識人ギョーカイ内で、シニカルでウィットに富んだ人間だと自分が思われたいという本当にくだらない虚栄心が、高層マンションとスーパーに包囲されて仕事の先行きがどうにもならなくなって町屋で心中するしかなかった年老いた