10月7日まで、中秋節と国慶節(建国記念日)の8連休だった。その間、尖閣諸島を巡る「神経戦」が休まることはなく、日本ですっかり有名になった中国海洋局の監視船「海監」が、何度も領海に現れた。10月4日には、宮古島の近海110㎞に、人民解放軍が駆逐艦やフリゲート艦など7隻を繰り出した。 そんな中、中国のある人物がこっそりと、日本情勢の分析のため東京へやって来た。中国は、観光客や文化訪問団の訪日は取り消しても、この手のプロは、きっちり「現地調査」にやって来る。彼が一面識もない私に声をかけてきたのは、私がここ1年半ほど、中国メディア(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)に、定期的に日本の立場を説明してきたからだとのことだ。 この人物と都内某所で2時間ほど、日中関係について議論を交わすうちに、尖閣問題の「輪郭」が浮かび上がってきた。 それは一言で言えば、日中相互の不信感から来る「誤解の連鎖」である。 共産党