北朝鮮で密かに流行っているジョークがある。金正恩は処刑のやりすぎで、国民が絶滅してしまった。最後は正恩が痩せこけて餓死するというものだ。古今東西、これほど残忍非道な独裁者がいただろうか? 眼前で母と兄が公開処刑 「張成沢処刑のニュースなど、まったく驚きませんでした。私の母と兄も、私が見ている前で公開処刑されたのですから。 処刑など、北朝鮮においては、ごく日常の出来事です。金正恩は自分の意向に少しでも背く人間は、すぐに処刑する。それが独裁者・金正恩のやり方なのです」 こう証言するのは、北朝鮮から'05年に脱出した申東赫氏だ。 「強制収容所から脱出に成功した唯一の脱北者」と言われる申氏は、'82年に、北朝鮮の平安南道价川市にある国家安全保衛部傘下の第14号政治犯収容所(強制収容所)で生まれた。収容所内の労働力を増やすため、収監された若い男女に無理やり性交させて生ませた子供である。 だが'96年