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ブックマーク / econ101.jp (210)

  • ステファン・クラセン「サハラ以南アフリカの貧困と格差を測る」

    Stephan Klasen “Measuring Poverty and Inequality in Sub-Saharan Africa: Knowledge Gaps and Ways to Address them“(blogs.worldbank.org, 29 July, 2014) ケニア、キベラにあるスラムを岩の上に座って見下ろす少年 ​@Gates Foundation アフリカ中の家計調査の質と量の向上のためにここ数十年費やされた数億ドルにも関わらず、私たちはサハラ以南アフリカにおける貧困と所得格差の水準と傾向について、非常に大雑把にしか把握していない。この残念な事態は多くの理由に起因している。 第一に、アフリカ諸国の統計能力は未だに弱く、調査の資金は援助者のお金に強く依存している。そのせいで調査作業の質、調査プログラムの当事者意識、そして何よりも深刻なことに調査の一貫

    ステファン・クラセン「サハラ以南アフリカの貧困と格差を測る」
  • ポール・クルーグマン「高インフレ到来っていう神話」

    Paul Krugman, “Inflation Mythology,” Krugman & Co., July 25 2014. [“Always Inflation Somewhere,” July 19,2014; “Understanding the Crank Epidemic,” July 17, 2014] 高インフレ到来っていう神話 by ポール・クルーグマン MEDI/The New York Times Syndicate かれこれ6年あまりもアメリカで札付きの連中が予測しつづけてるハイパーインフレがいっこうに到来してないねって指摘するたびに,「いーや,到来してるね.政府が統計でウソをついてるんだっつーの」ってコメントを山ほど頂戴する. これにお答えするには,独立系の計測値を引用する手もある.たとえば「ビリオン物価指標」(Billion Price Index) を見て

    ポール・クルーグマン「高インフレ到来っていう神話」
  • アレックス・タバロック「社会主義の道徳への影響」

    Alex Tabarrok “Moral Effects of Socialism“(MarginalRevolution, July 19, 2014) ダン・アリエリーとその共著者は興味深い新論文において、ドイツの東と西で育った人々の道徳的行動、具体的には不正行為について調べている。 1961年から1989年にかけて、ベルリンの壁が1つの国家を2つの全く異なる体制に分割していた。私たちはこの自然実験を利用し、社会政治的背景が個人の正直さに影響を与えるかどうかを調べた。抽象的なサイコロ投げの課題を用いたところ、社会主義の下に置かれた東ドイツ人は資主義の下に置かれた西ドイツ人よりも不正行為を多く働くことを見出した。私たちはさらに、不正行為は妥当な反論が可能な状況においてより高い確率で起きることも見出した。 もし社会主義が当に個人の不正直さを促すのであれば、この社会政治制度のどういった要

    アレックス・タバロック「社会主義の道徳への影響」
  • タイラー・コーエン 「フリードマンは大恐慌をどのように分析したか?」(2013年8月11日)

    ●Tyler Cowen, “How would monetarism have fared against the Great Depression?”(Marginal Revolution, August 11, 2013)/【訳者による付記】アレックス・タバロック「バーナンキVSフリードマン」(227thday氏による訳)とあわせて参照されたい。 ポール・クルーグマンがフリードマンによる大恐慌解釈をちょくちょく槍玉(やりだま)に挙げている。最新の例はこちらだが、次のように述べられている。 とは言え、主要なポイントは、我々が置かれている状況は、古典的なマネタリズム(classic monetarism)が説くところとは大違いだということだ。古典的なマネタリズムによると、中央銀行は貨幣集計量――例えば、M2――を意のままにコントロールすることができて、経済の成り行きは貨幣集計量によって

    タイラー・コーエン 「フリードマンは大恐慌をどのように分析したか?」(2013年8月11日)
  • ポール・クルーグマン「改革保守派が言う新アイディアは昔ながらのやつとなにも変わらない」

    Paul Krugman, “Reform Conservatives’ New Ideas Are the Same Old Ideas,” Krugman & Co., July 18, 2014. [“Trick or Tweak,” July 2, 2014; “The Meme is Out There,” July 9, 2014] 改革保守派が言う新アイディアは昔ながらのやつとなにも変わらない by ポール・クルーグマン KAL/The New York Times Syndicate 先日,『ニューヨークタイムズ・マガジン』のカバーストーリーで,作家のサム・タネンハウスがこう問いかけてた――「共和党はアイディアに満ちた党になれるか?」 そりゃノーでしょ.これもまた,単純な問いに単純な答えが出る一例だ. もっと具体的に言うと,タネンハウス氏が書いてる「改革保守」ってのは,もっ

    ポール・クルーグマン「改革保守派が言う新アイディアは昔ながらのやつとなにも変わらない」
  • ポール・クルーグマン「イラクの妖怪」

    Paul Krugman, “The Specter of Iraq,” Krugman & Co., July 11, 2014. [“The Iraq stain,” The Conscience of a Liberal, June 30, 2014.] イラクの妖怪 by ポール・クルーグマン TUNIN/The New York Times Syndicate 近頃はぼくもイラクがらみの話をめっきり書かなくなってるけど,先日『ニューヨークタイムズ』にジェイムズ・リズン記者が書いたレポートを読むと,あのおぞましさがよみがえってくる.ぼくが言わんとしてるのは,たんに,アメリカ人がウソで戦争に引きずり込まれたってことだけじゃない.ぼくらのメディアと政策エリートたちの大半が,先を争ってイラク討つべしの合唱に加わった.そして,この企ては多くの人命とお金を無駄に費やすことになった. そればか

    ポール・クルーグマン「イラクの妖怪」
  • ポール・クルーグマン「スウェーデン版サドマネタリストの挫折」

    Paul Krugman, “Swedish Sadomonetarist Setback,” Krugman & Co., July 11, 2014. [“Swedish Sadomonetarist Setback,” The Conscience of a Liberal, July 5, 2014.] スウェーデン版サドマネタリストの挫折 by ポール・クルーグマン なるほど,これはなかなかにびっくりだ.これまでよく中央銀行家たちの「サドマネタリズム」について書いてきた――失業率が高くてインフレ率が低いっていうのにとにかくなにか理由を見つけて金利を引き上げたがるあからさまな傾向のことを,ぼくはそう呼んでる. そういう考え方でもいちばん影響力の強い一党が,国際決済銀行だ.どういうわけか,国際決済銀行は多大な尊敬を集めている.「インフレだ!」「 もうすぐくるぞ!」「いやこないかも!」

    ポール・クルーグマン「スウェーデン版サドマネタリストの挫折」
  • タイラー・コーエン 「道徳的な教訓を伝える物語は子供たちから正直な振る舞いを引き出せるか?」(2014年7月4日)

    タイラー・コーエン 「道徳的な教訓を伝える物語は子供たちから正直な振る舞いを引き出せるか?」(2014年7月4日) ●Tyler Cowen, “Can classic moral stories promote honesty in children?”(Marginal Revolution, July 4, 2014) 長年にわたって論争が続いている話題の一つについて、次のような最新の研究結果が報告されている。 ●Kang Lee et al., “Can classic moral stories promote honesty in children?”, Psychological Science, forthcoming <要約> 嘘をつくと、どういう結果が待っているか。正直でいることがいかに有徳な振る舞いなのか。そのことを子供たちに教え諭すために、道徳的な教訓を伝える物語を

    タイラー・コーエン 「道徳的な教訓を伝える物語は子供たちから正直な振る舞いを引き出せるか?」(2014年7月4日)
  • ポール・クルーグマン「創造的破壊についてドイツが教えてくれること:破壊はやめて高品質を」

    Paul Krugman, “An Innovation Lesson From Germany: Less Disruption, More Quality,” Krugman & Co., June 20, 2014. [“Creative Destruction Yada Yada,” June 16, 2014; “German Labor Costs,” June 17, 2014] 創造的破壊についてドイツが教えてくれること:破壊はやめて高品質を by ポール・クルーグマン John W. Adkisson/The New York Times Syndicate ジル・ルポアが『ニューヨーカー』誌にすばらしい記事を書いてる.ビジネスでも他のどんなことでも「破壊的イノベーション」こそが成功の秘訣だというインチキ話を,ルポアは反駁している.たんにあの手の話を小馬鹿にしてすませずに

    ポール・クルーグマン「創造的破壊についてドイツが教えてくれること:破壊はやめて高品質を」
  • タイラー・コーエン 「認知的バイアスへの気付きが人をして認知的バイアスに陥りやすくさせる?」(2011年12月22日)

    タイラー・コーエン 「認知的バイアスへの気付きが人をして認知的バイアスに陥りやすくさせる?」(2011年12月22日) ●Tyler Cowen, “They have transcribed my TEDx talk on stories”(Marginal Revolution, December 22, 2011) 私が数年前にTEDxで行った講演――テーマは、「ストーリー」――の内容がBen Casnochaのブログで文字に起こされているようだ。その一部を以下に引用しておこう(ゴシック体による強調は、Casnochaによるもの)。 まず第1の問題というのは、ストーリーはシンプルになり過ぎる傾向がある、ということです。ストーリーのポイントは、細かい部分を削ぎ落していくことにあります。・・・(略)・・・詳細(ディテール)が削ぎ落されたシンプルなストーリーとしては、「善vs悪」(good

    タイラー・コーエン 「認知的バイアスへの気付きが人をして認知的バイアスに陥りやすくさせる?」(2011年12月22日)
  • ピーター・テミン「経済史と経済開発」

    Peter Temin “The Black Death and industrialisation: Lessons for today’s South” (VOX, 4 June 2014) 経済史と開発との相互作用を高めることは、その両方の分野において有益となる可能性がある。稿では、経済史における最近の知見が、どのように開発と関係してくるかを示す。黒死病は農業技術の改善、女性の地位の変化、賃金の上昇をもたらした。そうした展開は産業革命につながったが、技術の急成長は低所得国においては採算の合うものではない。こうした発見は、開発における根的な問題は賃金を低く抑える人口パターンであるという可能性を示唆している。 経済史と経済開発は、両分野ともに質的には経済発展の研究であるがために、その相互作用を高めることは双方にとって有益となるだろう。両者の違いは、経済史が高賃金国に焦点を当てている

    ピーター・テミン「経済史と経済開発」
  • ポール・クルーグマン「フランス版『雇用創出者』さま」

    Paul Krugman, “Those French Job Creators,” Krugman & Co., May 30, 2014. [“Cheese-eating Job Creators,” May 21, 2014.] フランス版「雇用創出者」さま by ポール・クルーグマン このところ,ヨーロッパ経済の実績をみんなして責め立てている.そうするだけの理由はある.ただ,いまぼくらが目の当たりにしてるのはダメなマクロ経済政策であって,この政策をもたらしたのは時期尚早な通貨統合と緊縮一槍バカだ.いまの話は,旧来のヨーロッパ叩きとは大きく異なる.かつてのヨーロッパ叩きでは,ヨーロッパの「動脈硬化」が主に取りざたされていた――いきすぎた福祉国家によって引き起こされたとされる永続的な低い就業率が問題になっていた. さて,ジョン・シュミットやディーン・ベイカーみたいな経済学者たちは,ず

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  • ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」

    Paul Krugman, “Why Economists Worry About Population Growth,” Krugman & Co., May 30, 2014. [“Demography and the Bicycle Effect,” May 19, 2014;”Cheese-eating Job Creators,” May 21, 2014.] なんで経済学者は人口成長を気にかけるの? by ポール・クルーグマン Edwin Koo/The New York Times Syndicate 経済学者アルヴィン・ハンセンが「長期停滞」(secular stagnation) の概念をはじめて提案したとき,彼は投資需要の低迷に人口増加の鈍化が果たす役割を強調した. 現代の議論は,この強調点をふたたび取り上げるようになっている:日の労働人口減少は,あの国が抱えるいろん

    ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」
  • ラルス・クリステンセン「W杯の結果を100万回シミュレートしてみたよー。ブラジルつえー」

    LARS CHRISTENSEN”I just ran a million simulations of the World Cup – Brazil won 450,000 times” (The Market Monetarist, MAY 28, 2014) (5月29日訳者追記:ゴールドマン・サックスも似たような予測をしているのが興味深い。) まともな経済学者の誰もが、ブラジルで開催される今度のサッカーワールドカップで勝つのはどこかについて一家言を持っているはずだ。というわけで僕ももちろん持っている。 この問題について、僕はダンスク銀行の聡明なる同僚であるJens Pedersen, Morten Thrane Helt, Stanislava Pravdova, Kristoffer Kjær Lomholtと共同で論文を書いた。 次のはその論文、「ブラジルはピッチ上での成功を目

    ラルス・クリステンセン「W杯の結果を100万回シミュレートしてみたよー。ブラジルつえー」
  • ニック・ロウ「家としての国」

    Nick Rowe “Countries as homes” (Worthwhile Canadian Initiative, May 26, 2014) EU議会選挙の結果のために昨夜は遅くまで起きていた。イギリスでは、イギリス独立党が27.5%の投票を得て一位となった(労働党は25.5%で二位、保守党は24%で三位)。フランスでは国民戦線が25%で一位となった [1] … Continue reading 。 独立党と国民戦線の両方ともEUからの脱退と移民の減少を求めている(他の面においては彼らは異考えを異にしている)。イギリスはユーロには加盟しておらず、近い将来にユーロを採用する見通しもないため、欧州中央銀行の金融政策にイギリスの結果が大きな影響をもたらすことはないように思える。どちらの党も組織としては全く「まとも(respectable)」ではないけれども、独立党のほうが国民戦線よ

    ニック・ロウ「家としての国」
  • ポール・クルーグマン「ヨーロッパ経済:まだまだ低調,まだまだ低迷」

    Paul Krugman, “The European Economy: Still Weak, Still Faltering,” May 23, 2014. [“Not On The Mend,” May 15, 2014; “Predictions and Prejudice,” May 8, 2014.] ヨーロッパ経済:まだまだ低調,まだまだ低迷 by ポール・クルーグマン MEDI/The New York Times Syndicate 去年は,「もうユーロ危機は終わった」「ヨーロッパ経済は立ち直った」と宣言する声をいっぱい聞いた.こういう声には,たしかに現実の裏付けもいくらかある――欧州中央銀行の支援のおかげで金利は大幅に収束してるし,ユーロに対する政治的なリスクは退いたと見る向きは強まってきてる.でも,それ以上に疑わしいことも背後にある:債務国の経済成長がそこそこ上向いて

    ポール・クルーグマン「ヨーロッパ経済:まだまだ低調,まだまだ低迷」
  • ニック・ロウ「短期ってどのくらい?」

    Nick Rowe”How long is the short run? The macroeconomics of “doing nothing” revisited [1] … Continue reading ” (Worthwhile Canadian Initiative, May 21, 2014) 私たちが通常、入門マクロ経済学を教える際に与える答えは次のようなものだ。「それは価格の粘着性による。もし価格がとても柔軟であれば短くなるし、価格がとても粘着的であれば長くなるだろう。」 もっと優れた答えもある。「それは金融政策による。もし金融政策がとても良いのであれば短くなるし、金融政策がとても悪いのであれば永久に続くことだろう。」 この点についてサイモン・レンルイスとは考えが一致していると思う。そしてこの点は単に入門マクロ経済学の学生だけに重要というわけではないということについて

    ニック・ロウ「短期ってどのくらい?」
  • スコット・サムナー「医療について語るレヴィットについて語るクルーグマン」

    Scott Sumner “Krugman on Levitt on healthcare” (TheMoneyIllusion, 17 May, 2014) スティーブン・レヴィットが行った、医療に関するいくぶん馬鹿げた表面的ないくつかのコメントについて、クルーグマンが記事[邦訳]で批判している。デヴィッド・キャメロンとの議論の中で、レヴィットは無償医療を車が無料の市場になぞらえた。当然ながら医療市場は、この比喩には含まれていないいくつかの非常に重要な点において自動車市場とは異なっている。この比喩が役に立たないのではなくて(これはなぜアメリカがこんなにもたくさん医療に支出しているのかを説明するのに役立つ)、それよりも問題なのはこれが議論の出発点に過ぎないのであって、問題を総括するのに有用ではないということだ。 だからクルーグマンはこの点について正しいのだが、次のコメントは読んで私はPC

    スコット・サムナー「医療について語るレヴィットについて語るクルーグマン」
  • スコット・サムナー「より高めのインフレ目標が必要というクルーグマンの話」

    Scott Sumner, “Krugman on the need for a higher inflation target,” The Money Illusion, May 15, 2014. ポール・クルーグマンが,もっと高いインフレ目標が必要だと提案するペーパーを公開してる (pdf).次のような論証には,異論の言いようがない: 第一に,「長期停滞」のさまざまな可能性 (Krugman 2013, Summers 2013) および/または自然実質金利が長期で下落していく傾向 (IMF 2014) に関する近年の研究と議論を見ると,ゼロ下限に直面する事態の確率がこれまで認識されていた以上に高いだけでなく,ますます高くなってきていることがうかがえます.20年前なら擁護できたかもしれないタイプのインフレ目標は,いまでは大幅に擁護しにくくなっていると言えそうです. 第二に,実のところ

    スコット・サムナー「より高めのインフレ目標が必要というクルーグマンの話」
  • ポール・クルーグマン「自由市場がいつでも最良の処方ってわけじゃない」

    Paul Krugman, “Free Markets Are Not Always the Best Medicine,” May 23, 2014. [“Faith-based Freaks,” The Conscience of a Liberal, May 16, 2014.] 自由市場がいつでも最良の処方ってわけじゃない by ポール・クルーグマン Mark Graham/The New York Times Syndicate 新しく出たスティーヴン・ダブナーとの共著『ヤバい思考法』(Think Like a Freak) で,スティーヴン・レヴィットがこんなことを書いている.イギリス首相デイヴィッド・キャメロンに,国民保健サービスをつぶして市場の魔法に保健問題を任せちゃった方がいいですよとレヴィットは語ったんだそうだ.これでレヴィットはお利口ぶりを発揮したつもりだった.ところ

    ポール・クルーグマン「自由市場がいつでも最良の処方ってわけじゃない」
    ko_chan
    ko_chan 2014/05/25
    常に間違えない者は居ないなんて当たり前なんだけどね。