アゴラに先般「日本人男性が変わらない限り、日本の少子化は決して止まらない」と題する記事が掲載された。内容はともかく、筆者はその意見には同意できない。むしろ日本の低出生率改善の鍵を握っているのは女性であり、「日本人女性が変わらない限り、日本の少子化(注1)は決して止まらない」と考えている。そこで、ここではあえて「男性目線」で日本の低出生率問題を考えてみたい。ただし、人口減少を肯定するか否かという論点は、出生率向上の方策を検討することとは別問題と考え、ひとまず考察から除外する。 1. ふまえておかねばならないこと 低出生率を考える場合、女性の出産にはタイムリミットが厳然としてあることをあらためて確認しておきたい。いくつになっても女性が子どもを産めるわけではないことは、感情を度外視した生物学的な事実であり、争うべき性質のものではない(なお、当然男子にも加齢による生殖能力の低下は見られる。年を取る