近畿大学水産研究所(和歌山県白浜町)は26日、ウナギの完全養殖に成功したと発表した。卵から人の手で育てた稚魚を親にし、その親からとれた卵をふ化させた。ウナギ養殖に必要な稚魚のシラスウナギは天然の資源量が減っている。完全養殖が実用化できれば安定供給しやすくなり、資源保護にもつながる。2010年に世界で初めて完全養殖に成功した水産総合研究センター(現水産研究・教育機構)の飼育技術を活用した。記者会
ウナギ養殖の山田水産(大分県佐伯市)は人工授精で誕生させたウナギの幼生をシラスウナギと呼ばれる稚魚に成長させることに成功した。養鰻(ようまん)事業者としては国内初とみられ、人工的に誕生させたウナギに次世代を生ませる「完全養殖」に一歩近づいた。天然物に依存してきたシラスウナギの安定生産に道を開く可能性がある。完全養殖は水産総合研究センター(現水産研究・教育機構)が2010年に世界で初めて成功した
絶滅危惧種に指定されているニホンウナギ。ふ化したばかりのいわば「赤ちゃんの」時期のえさが分からず、シラスウナギの大きさに育ったものを捕まえなくては、養殖が困難なのが現状です。夏バテでウナギが恋しくなる時期を前に、この壁を打ち破って完全養殖の実用化につなげようと、鹿児島大学の研究グループが取り組んだ最新の研究を紹介します。 鹿児島局 記者 堀川雄太郎 映像取材 桑原健史 えさは動物プランクトンのふん!? 日本からおよそ2000キロ離れたマリアナ諸島の周辺海域で生まれるとされるニホンウナギ。ふ化直後の採取が難しく、いわゆるウナギの赤ちゃんが何を食べているのか、これまで研究は困難でした。そこで鹿児島大学水産学部の久米元 准教授らの研究グループが着目したのは、鹿児島湾にすむギンアナゴやウツボ、ハモなどウナギ目の魚です。 7年前から、これらのウナギの仲間たちの「レプトセファルス」と呼ばれる大きさ数十
2020.07.20 ウナギを食べ過ぎると絶滅するらしいけど、結局食べていいの? 専門家に聞く4つの質問 「おこうぐらいで酒飲んでね、焼き上がりをゆっくり待つのがうまいわけですよ、うなぎが」 池波正太郎 食通で知られる作家・池波正太郎が、『男の作法』でウナギについて記した一節。タレの香ばしい香りが食欲をそそり、「待つ時間すらも乙で楽しい」と思わせるほどに"美味い"のがウナギという存在。 ウナギの蒲焼きは江戸時代に登場したそうですが、奈良時代に編纂された『万葉集』にも、夏バテにウナギが良いと薦めている一首があります。 「石麻呂に 我れ物申す夏痩せに よしといふものぞ 鰻捕り喫せ」 大伴家持 これほどまでに日本人に愛されてきたウナギ。 土用の丑の日に美味いウナギを食べようと思ったら、高級な鰻屋は敷居が高い。けれど、最近はチェーン店の定食屋やコンビニエンスストアのメニューにも、うな重は並んでいま
今年も「土用の丑の日」が7月27日にやってくる――。長年にわたってウナギを初めとした資源管理政策を研究してきた気鋭の研究者が、業界の闇に切り込む3回シリーズの中編。 かつて、ウナギの稚魚を「密漁」していた当事者は、筆者の取材にこう打ち明ける。 「あれはルパン三世を地で行っているようなものだった」 密漁の捜査当局者に発見され、必死に逃れようとした状況を表したひと言だ。 ウナギの稚魚であるシラスウナギ漁は通常夜間に行われる。「最高の条件は闇夜で大潮、中潮」とシラスウナギ漁関係者は語った。闇夜のなか、漁業者は夜の水面を集魚灯で照らしながら操業する。採捕が許可されている期間中であれば、誰が正規の漁業者で誰が採捕許可のない密漁者かは区別できない。 「最盛期なら東京駅で特定の人を探すくらい(密漁者が誰かは)分からない。みんな暇なら周りを見ているけど最盛期はそんな余裕無いから」と関係者。ただし期間外なら
絶滅が危ぶまれているニホンウナギに一筋の光明が差し込んだ。完全養殖の商業化を目指す水産庁などが、研究室で人工孵化させた稚魚「シラスウナギ」を民間業者の養殖池で出荷サイズの成魚まで育てるのに成功した。かば焼きに加工しても天然稚魚を育てたウナギと遜色なく、関係者は期待を寄せる。ただ人工稚魚の価格は天然の10倍で、生産コストの削減が課題だ。卸値や小売価格の高騰でウナギを食べる習慣も薄れつつある中、商業化の早期実現が急がれる。 ウナギは9割以上が養殖もので、現在の養殖は、河口などで採取した稚魚を民間業者が養殖池で育てて出荷している。近年は稚魚の不漁が深刻化しており、今年の国内漁獲量(漁期は昨年11月~5月)は前年実績を6割下回る3・7トンと2年連続で減少。平成25年に記録した5・2トン以来、6年ぶりに過去最低を更新した。 国内漁獲量は昭和50年代前半に50トン前後あったのを境に、長期的な減少傾向が
ウナギ味のナマズ、近大が研究 「これはこれで美味しい」「言われなければウナギ…」商社も注目 withnews 5月18日(月)10時0分配信 脂こってりで肉厚、見るからに美味しそうなウナギのかば焼き……。いえ、実はこれナマズです。近畿大学の研究者が養殖業者と協力し、ナマズのエサを工夫したら、ウナギそっくりの味になりました。今月から鰻屋で試験販売が始まり、お客さんの評判は意外にも上々だそうです。すでに、国内の大手水産商社も「商品として扱いたい」と強い関心を示しているとか。絶滅が心配されているウナギに代わり、夏の主役になれるでしょうか!? 【動画】匂いも見た目もウナギそっくり!養殖ナマズのかば焼き 「言われなければウナギだと思うかもしれない」「あっさり目の味だけど、これはこれで美味しい」。ナマズを調理、販売する奈良県の料理店「うなぎの川はら」には、そんな感想が寄せられています。1匹から2枚のか
「言われなければウナギ」 「言われなければウナギだと思うかもしれない」「あっさり目の味だけど、これはこれで美味しい」。ナマズを調理、販売する奈良県の料理店「うなぎの川はら」には、そんな感想が寄せられているそうです。1匹から2枚のかば焼きができ、値段はウナギの2970円にくらべて、半値近い1780円(ナマズ重は2千円)。県内2店舗で1日20食の限定販売をしています。同店社長の山岡章さん(66)は「身が大きく、皮が厚いのでさばくのは大変だが、薄く切って濃い目のタレにしたらうまくいった。お客さんにはおおむね好評です」と手応えを語ります。 話題の近大「マグロの次はナマズか」 「ウナギ味のナマズ」作りに挑んだのは、近畿大学水産経済学研究室(奈良市)准教授の有路昌彦さん(40)と、大学院1年の和田好平さん(22)です。試食のアンケートを集めている和田さんは「また食べたいという人が意外に多く、反応はめっ
このところしばしば報じられるウナギの危機。それはニホンウナギやヨーロッパウナギにとどまらず、2009年に発見されたばかりの熱帯ウナギの新種にまで及んでいるという。ウナギとしては70年ぶりとなるその新種を発見し、記録として『にょろり旅・ザ・ファイナル』を上梓したウナギひと筋20年以上の研究者、青山潤氏が警鐘を鳴らす。 今、ウナギがヤバいことになっている。すでにニュースなどで報じられている通り、蒲焼きとして馴染み深いあの「鰻」(ニホンウナギ)が絶滅の危機に瀕している。原因として、乱獲や河川環境の悪化、地球規模での環境変動など様々な要因があげられている。これら全てが複雑に絡み合い、今の事態に立ち至ったことに間違いはなかろう。しかし、主要因は何か、どうすれば確実に鰻が増えるのかと問われれば、今のところ誰にもわからないというのが正直な答えだ。20年以上もウナギ一筋に研究を続けてきたはずの私にもわから
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