・アニマルスピリット ノーベル経済学賞受賞者ジョージ・A・アカロフと『投機バブル根拠なき熱狂』著者ロバート・シラーという二人の著名な学者が、経済におけるアニマルスピリット(行動への突発的な衝動)の本質的な役割を明らかにする。翻訳は山形浩生で解説も書いている。 最近流行の行動経済学は人間の不合理さ(あるいは不合理に見える合理、合理に見える不合理)を強調しているが、そもそもマクロ経済学の父であるケインズが、アニマルスピリットの重要性を指摘していた。 アニマルスピリットの5つの側面として安心、公平さ、腐敗と背信、貨幣錯覚、物語が挙げられている。これら5つの要因が絡み合って、19世紀以降の大恐慌の大きな原因となってきたいう歴史的な説明がとてもわかりやすい。 「本当の問題は、これまで何度も見たように、現在の経済学の相当部分が根底に持っている通念だ。マクロ経済学やファイナンスの専門家のあまりに多くが、