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ブックマーク / pentaxx.hatenadiary.org (29)

  • [新刊]「『社会的うつ病』の治し方」 - pentaxx備忘録

    「社会的うつ病」の治し方―人間関係をどう見直すか (新潮選書) 作者: 斎藤環出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/03/01メディア: 単行購入: 20人 クリック: 410回この商品を含むブログ (17件) を見る 「社会的うつ病」なるネーミングは、半分以上ネタです。治療上における、いろんな意味での「人薬」の意義について書いています。実用性は高いと思います。 というか、すでに売れゆきで明暗が… 「社会的うつ病〜」は、いわゆる「たちまち重版」でしたが、キャラはいまひとつ…こんなところにも震災の影響が?

    [新刊]「『社会的うつ病』の治し方」 - pentaxx備忘録
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    massunnk 2011/04/14
  • ■ - pentaxx備忘録

    そしてその翌日には副業的イベントが。私は24日の総合討議に参加する予定です。 国立国際美術館新築移転5周年記念シンポジウム 「絵画の時代ーゼロ年代の地平から」 1月23日(土) 13:20-13:30 はじめに 島敦彦(当館学芸課長) 進行 岡村知子(コーディネーター) □セッション1 「絵画の継承 / 断絶」 13:30-13:50 基調報告 「アナクロニックであるとは何か『モダニズムの絵画』再考」 松浦寿夫(東京外国語大学総合国際学研究院教授) 14:00-15:00 討議 パネリスト 尾信一郎(鳥取県立博物館副館長) 林道郎(上智大学国際教養学部教授) 松浦寿夫 15:00-15:15 休憩 □セッション2 「ポスト近代の絵画と具象表現」 15:15-15:35 基調報告 「フレームを超えて混沌の時代を生きるための極小の方法」 松井みどり(美術評論家) 15:45-16:45 討議 

    ■ - pentaxx備忘録
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    massunnk 2010/01/17
    「絵画の時代ーゼロ年代の地平から」
  • 2010-01-09

    2年半ぶりの返信が来たりして(笑)注目度が高まっているようなので、この機に乗じて告知します。 朝日カルチャーセンター講座のご案内です。なんと3日後。 男女論(1) − 「関係する女 所有する男」出版記念講座 精神科医 斎藤 環 法政大講師 金田 淳子 1月12日火曜日 19:00-20:30 全1回 会員 3,360円一般 3,990円 場所:朝日カルチャーセンター7F このについては、売れゆきからウェブ上の書評(mixi含む)まで、かなりマメにチェックしていましたので、どんな読まれ方をしているかが良くわかりました。なかなか面白い体験でしたので、反省点や補足なども含めて、じっくりお話しできればと思います。フェミのえらい人からお叱りをいただいた顛末など、ちょっとした裏話も(笑)。 とりわけ書の腐女子パートについては、金田淳子さんという最強の論客をお招きしましたので、それはもう突っ込まれ放

    2010-01-09
    massunnk
    massunnk 2010/01/15
    ノリノリである(笑)
  • 「関係する女 所有する男」講談社現代新書 - pentaxx備忘録

    関係する女 所有する男 (講談社現代新書) 作者: 斎藤環出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/17メディア: 新書購入: 27人 クリック: 497回この商品を含むブログ (47件) を見る 新刊出ました。基的にジェンダーです。 ただでさえジェンダーは誤解や反発を受けやすいうえ、生物主義的なジェンダー理解への徹底批判に抵抗を覚える方もいることでしょう。 主張したいことはおおむね書き尽くしたつもりですし、後付けで著者が意図を説明するのは反則かもしれませんが、念のために書いておきます。 このでは、ジェンダーの差異がもたらす一定のリアリティをひとまずは肯定した上で、そのリアリティがけっこう無根拠だったり曖昧だったりもするという事実を検証しようと試みました。 だから生物主義の批判は必然的な手続きなんですね。男女格差のパロディというスタイルにしても、「関係原理」や「所有原理

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    massunnk 2009/09/25
    著者による紹介
  • 福岡伸一さんとのトークイベント - pentaxx備忘録

    「科学と非科学のあいだ ライアル・ワトソンとは何者だったのか」 7月5日日曜日午後2時から、紀伊国屋サザンシアターにて。 「何者だったのか」って、そりゃ詐欺師でしょう。とまあ、そんな文章を朝日に書いたら、なぜかこんなイベント依頼が。正気の沙汰とも思えない。「ワトソン批判しかしませんよ」って言ったのに。私なんかよりもはるかに適任者がいるのに。松●正剛とか松岡●剛とか松岡正●とかね。 マイケル死すとも80年代は終わらない。シンクロニシティ、ホロン、ガイア、形態因果作用…そういうものへの熱狂を解毒してくれたのもまた「ニューアカ」の一側面だったことは、意外に知られていない。 イベント会場はきっとロハスピープルの動的平衡状態になること間違いなし。完全アウェイだ! しかし内田樹氏、モギケンときて福岡ハカセというラインナップをみれば、否認しようのない何かを感じるヒトがいてもおかしくないな。人としては、

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    massunnk 2009/06/30
    これはww「松●正剛とか松岡●剛とか松岡正●とかね」
  • 「『文学』の精神分析」河出書房新社 - pentaxx備忘録

    「文学」の精神分析 作者: 斎藤環出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/05/14メディア: 単行購入: 5人 クリック: 69回この商品を含むブログ (15件) を見る ここ10年間あまりに書いた文芸批評系の仕事から厳選しました。 お勧めは宮沢賢治論、三島由紀夫論あたりでしょうか。あと若気の至りで書いた(1)京極夏彦をdisりついでに日の精神分析史を学ぼう編とか、(2)京極さんいいヒトだったんで今度は絶賛編という、著者の定見のなさが露呈した貴重な文章も収録。 以下目次。 「性愛」と「分裂」―宮沢賢治試論 他者としての「」―小島信夫『抱擁家族』再読 逆説の同心円―三島由紀夫論 超越性と情動の倫理―石原慎太郎『化石の森』 ヤコブの梯子、ジェイコブの路地―中上健次『十九歳のジェイコブ』 リアルで厳密で、すこし寂しい希望を―村上龍『最後の家族』解説 「精神分析」の呪縛―『狂骨

    「『文学』の精神分析」河出書房新社 - pentaxx備忘録
  • とりあえず、遅まきながら… - pentaxx備忘録

    最近めっきり邦楽は聞いてなかったし、もちろんRCもご無沙汰だった。ところが何を思ったか先月、iTunesで全アルバムを衝動買いしたばかり(持っていたのは全部LP)。まあ単なる偶然だろうけど。あといろいろ、個人的な感慨はゲームラボ(連載を私物化!)に書いた。 しかしいまさら「KING OF ROCK」とか言われると違和感がある。生前ホントにそう呼ばれてたっけ? まあそういうのはYAZAWAとか氷室とかでいいでしょう。 清志郎が天才であることは疑いようもないけれど、結局、誰も彼を継承できなかった。その意味で彼は影響したのではなく解放したのだと思う。だから彼は単独峰にとどまったまま、晩年はおとなしくキャラとして消費されていった。 それにしても…清志郎亡き後、ライブでスキャットを自在にこなせるヴォーカリストは? ディスコミュニケーションをリアルに主題化できる作詞家は? 連休中からずっと考えているが

    とりあえず、遅まきながら… - pentaxx備忘録
  • 「関係の化学としての文学」新潮社 - pentaxx備忘録

    2年越しで雑誌「新潮」に掲載された渾身の連載に、さらに大幅な加筆修正を加えました。「関係の化学」という画期的な発見もさることながら、各章ごとに章の内容をまとめた{要約すると}を追加、加えて東浩紀氏推薦、と売れる要素満載の一作です。 以下、「あとがき」より抜粋。 私はときおり夢想する。おそらく一九世紀における「小説」こそが、すべての虚構の王なのではなかったか。ゲーテ、ディケンズ、バルザック、ブロンテ姉妹、フローベール、トルストイ、ドストエフスキーといった巨大な名前たちを思う時、今後いかなる表現者も、個人として彼らほど人々に愛され、あるいは高く評価されるということはありそうにない。映画にはじまる視覚表現の環境的発展が、表現スタイルの多様化を招くと同時に、一世紀をかけて、ゆっくりと「文学」を凋落させていったのではないか。 おそらく「リアリティ」の八割は「諸感覚の階層的な同期」によって与えることが

    「関係の化学としての文学」新潮社 - pentaxx備忘録
  • 2009-01-13

    心理学化する社会 (河出文庫) 作者: 斎藤環出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/01/26メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 80回この商品を含むブログ (31件) を見る まずはリハビリ的に淡々と再開。 心理学化(心理主義化)が早くも終焉しつつある現在の状況をふまえて、大幅に加筆しました。「心理学化」のヒントをいただいた樫村愛子さんに解説を担当していただきました。 この解説と加筆部分だけでも文庫版を購入する価値があります。 すでにお持ちの方ももう一冊! NHK−BSの「名曲探偵アマデウス」に出演しました。 (BShi 1月17日(土) 午後7時00分・ BS2 1月25日(日) 午後11時00分) マーラーの「交響曲第5番」について、脳科学的見地から…ではなくて、普通に病跡学的に喋っています。爆笑問題の時に露呈した診察室ならぬ汚部屋が再び!

    2009-01-13
    massunnk
    massunnk 2009/01/14
    ブログ更新してる!文庫版は加筆があるのか、買う。
  • 2007-10-06

    ●ETV特集 10月7日日曜日 22時より 「生きづらい時代の大人たちへ 〜シンガー・馬場俊英のメッセージ〜」 ●爆笑問題のニッポンの教養 10月30日火曜日 23時より ●榎俊二『ムーたち』第2巻 解説 ●美術手帖2007年10月号  「『映画という謎』の分有」*1 ●ART iT 第17号 書評;会田誠「MONUMENT FOR NOTHING」 ●こころの科学136号 「『解離とは何か』とは何か?」 *1:ディビッド・リンチ「インランド・エンパイア」論です。絵画作品などにも少し触れています

    2007-10-06
    massunnk
    massunnk 2007/10/08
    「爆笑問題のニッポンの教養 10月30日火曜日 23時より」マジかよw
  • BTの連載が単行本化します - pentaxx備忘録

    「アーティストは境界線上で踊る」(仮) 税込価格 : \2,940 (体 : \2,800) 出版 : みすず書房 ISBN : 978-4-622-07331-4 発行年月 : 2007.11 現代アートの世界でいまなにが起こっているのか。引きこもりからアニメ、文学まで、現代若者文化に鋭く斬り込んできた精神科医・斎藤環が、現実と妄想のはざまを生きる異能のアーティストたちの創作衝動を抉り出す。草間彌生、杉博司、会田誠、山口晃、やなぎみわ、できやよい、Mr.他、ベテランからいまが旬の若手作家まで23人へのインタビューをまじえながら怜悧な批評が炸裂する。『美術手帖』誌の好評連載に書き下ろしを加えた、待望のアート・ブック。(bk1の紹介文より) とのことです。 目下絶賛編集中です(泣)。

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    massunnk 2007/09/23
    これはほぼ毎月読んでた!楽しみ!
  • 菊地さんからのお手紙 - pentaxx備忘録

    ご存じの方もおられるかもしれませんが、茂木健一郎さんと往復書簡をやっています。 いろいろ興味深い反響もいただいています。ありがたいことです。 先日は、なんと光栄にも菊地成孔さんからメッセージが。スパンクハッピーもDCPRGも持ってます。 しかし、これはひどいなあ(笑)。いや、いろんな意味で。無芸大って… せっかくなのでお返事を書きたいけれど、茂木さんからの返信が届かない現状では、編が始まらないのに番外編はできそうにありません。あしからずご了承下さい。でも、これでまた返信が遅れそうな予感が。それと恐縮ですが、あの”検閲”っぽい楽屋裏話、ここでバラすのはちとアンフェアかなと。いや面白いんですけど。 なにも僕は、ぼくらの最高のクオリアをこの手で終わらせたくなったわけではないのです。王様は裸だと叫びたいわけでもありません。ただ、言うべきことを言うのに、僕の代わりがいないならしかたがない。それは

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  • 2007-07-29

    ・無力感 ・自助努力への過小評価 ・治療者のカリスマ化*1 ・相互性なき治療関係*2 ・特殊な治療論への固着 ・治療者の互換性がなくなる ・ドクターショッピング*3 ・治療方針に従えなかった場合のゆきすぎた自責感 ・対人関係=治療関係になりやすい ・トラウマ的な治癒モデル*4への傾斜 ・治療そのものの自己目的化*5 ・「失敗」→「怨恨」となりやすい *1:転移性治癒 *2:治療方針の絶対化 *3:理想の治療者の探求、あるいは治療不信ゆえの”嗜癖化”もありうる *4:自己啓発セミナーetc. *5:治療関係の慢性化 ・万能感 ・「自己流」への過剰評価 ・医療への蔑視と拒否*1 ・上記に基づく、オルタナティブな治療法*2への反動的傾斜 ・操作主義*3の問題 ・ドクターショッピング*4 ・相互性なき治療関係*5 ・治癒=超人化となりやすい ・自助努力が不足している(ようにみえる)ものへの不寛容

    2007-07-29
    massunnk
    massunnk 2007/07/29
    他力の問題/自力の問題、関係
  • pentaxx備忘録 - [ひきこもり][ネット][掲示板]インタビュー後書き

    ……インタビューを終えてみて、彼の存在感の希薄さに、あらためて驚かされる。これはみずからが欲望の主体となるのではなく、ひきこもって人々の欲望を観察することが趣味、という彼自身の嗜好ゆえのものなのだろうか。 彼は弁明してはいるが、このスレッドはやはり「ネタ」と言うべきものだろう。いうなれば「やらせ」である。しかし、匿名掲示板において、ネタかマジかが、それほど重要な問題なのだろうか。それを判別する基準は、最終的には何一つ与えられない。さらに言えば、インタビューでの彼の告白が真実であるという保証もない。彼は当は「ひきこもり」だったのかも知れないからだ。匿名掲示板においては、むしろすべてが「ネタ」と考えられなければならない。ここでのコミュニケーションの面白さは、事実とも虚構ともつかない「ネタ」的次元において検討される必要がある。 彼の試みをみていて、私は昔懐かしい理科実験「ケミカルガーデン」を思

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  • 正しきイマージュの系統発生*1 - pentaxx備忘録

    なぜ「人体」か? 生物学者・エルンスト・ヘッケル(1834~1919)による、「個体発生は系統発生を繰り返す」というテーゼは、たとえば解剖学者・三木成夫による「おもかげの発生学」として、このうえなく優雅に変奏された。子宮の中の胎児の顔は、はじめフカなどの軟骨魚類をおもわせ、ついでトカゲなどの爬虫類の顔となり、そこから徐々に哺乳類へと向かっていく。私は医学生時代、生前の三木の講義を、あの「ねじれの美学」の極みとも言うべき美しいシェーマのプリントとともに聴講するという僥倖に恵まれた。自分の大学の教授の名前もろくに覚えなかった私だが、あの授業の印象だけは、いまだに鮮烈だ。 こんな話からはじめたのは、加藤泉の作品が、どこかそうした発生学的原理をイマージュとして体現しているように思われたからだ。誰もが感ずることではあろうが、やはり最近作は、胎児や赤ん坊を連想させずにはおかない。巨大な頭部、矮小な体、

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    massunnk 2007/07/21
    単行本化!待ってました
  • ヘンリー・ダーガーのファリック・ガールズ - pentaxx備忘録

    (『ら・るな』創刊号、1994年) ヘンリー・ダーガーのファリック・ガールズ 昨年(1993年)10月、「パラレル・ヴィジョン−20世紀美術とアウトサイダー・アート」展が世田谷美術館で開催された。ぼくもひさしぶりに美術館に足を運び、名高いプリンツ・ホルン・コレクションや、ゾンネンシュターンなどの有名な作品群を堪能してきた。 とりわけぼくがもっとも惹かれ、いくぶん複雑な感動をおぼえもした作品は、大作の片隅にひっそりと展示されていた。巻物のように長く粗末な紙の両面に、一見コミックの模写を思わせる、ちょっとデッサンのぎこちない少女達の物語が描かれていた。 まず眼をひいたのはその物語の異様な題材である。あどけない少女達と大人の血なまぐさい戦争。おびただしい数の少女達が兵士たちに銃剣で突かれ、サーベルで腹をさかれ、首を締められ、磔にされて死んで行く。もちろん少女達も虐殺される一方ではない。軍馬を駆り

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  • セーフティネットの構築(1) - pentaxx備忘録

    ・両親は早い段階で現在の資産状況*1を文章化し、人に伝える。 ・価値共同体としての家族から経済共同体としての家族への転換*2。 ・経済共同体の一員として人を位置づけ、能力に見合った立場を担当してもらう*3。 ・人の感情労働*4に対するなんらかの報酬を考える? 家庭内通貨? ・事情を理解し合った家族間でメンバーを交換する。 ・人の住居を確保した上で別居し、年金受給年齢までの年収*5を保証する。 ・両親からの生活費支給を早い段階で中止し、第三者(治療者、支援者など)から定期的に生活費を貸し与えるシステム*6。 ・通院や第三者との接触に対して一定の報酬を与える*7。 ・家族ネットワークの中で成年後見制度に準ずる制度を作り、両親亡き後の資産管理をこのシステムにゆだねる。 *1:預貯金、収入、借金、相続、生命保険etc. *2:「就労」から「生存」へ、「より良く生きる」ことから「生き延びる」

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  • 「被害者」「加害者」「患者」のいずれでもありうる「あなた」自身のために - pentaxx備忘録

    そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫) 作者: 日垣隆出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/10/30メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 178回この商品を含むブログ (118件) を見る 私は、司法精神医学について専門家を自称できる人間ではありません。なにしろ書でもたびたび名前の挙がる、精神鑑定の権威・小田晋氏の研究室に在籍した過去があるとはいえ、自分が中心となってかかわった精神鑑定例はわずか一例しかないのです。だからこの解説を書くために、関連書籍や論文をいくつも読みました。そして、精神障害犯罪者に関する議論の難しさに、あらためて驚かされました。 そもそも法学と医学とは、その背景となる思想からしてまったく異質な学問です。簡単に言えば「判決」は常に結論であり、事実と同じ重みを持ちます。しかし医学的な「診断」は、常に治療と予防のための一時的な仮説でしかありえず、それゆえ常

    「被害者」「加害者」「患者」のいずれでもありうる「あなた」自身のために - pentaxx備忘録
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    massunnk 2007/07/14
    日垣隆すげーな
  • 飯田真・中井久夫「天才の精神病理 科学的創造の秘密」岩波書店 - pentaxx備忘録

    病跡学という学問がある。さまざまな天才の作品や生涯を、精神医学の視点から眺めたらどのように見えるかを探るものだ。よく精神科医は天才まで病気におとしめてしまうと非難されがちだけど、このを読めばそんな誤解も解けるだろう。何かを創造するという行為がどれほどその人の気質によって影響されるものか、それを探る過程は、けっして創造の光輝を曇らせるようなものじゃない。 ところで、このの特異なところは、主に科学者が対象とされているところだ。通常は文学者や芸術家が選ばれがちななか、こういう選択はかなり珍しい。たとえばニュートンとヴィトゲンシュタインは分裂病圏の科学者であり、創造には孤立と媒介者を必要とする。ダーウィン、(ニールス・)ボーアは躁うつ病圏で、仕事の完成には庇護的な空間と協力者を必要とした。僕がもっとも興味深く感じたのは、フロイトや(ノーバート・)ウィーナーが神経症圏の天才と「分類」されているこ

    飯田真・中井久夫「天才の精神病理 科学的創造の秘密」岩波書店 - pentaxx備忘録
  • 邦画の“暗さ”について - pentaxx備忘録

    映画「グレムリン」を観て、アメリカ人には「雪」が描けないと喝破したのは、たしか蓮実重彦だった。爾来、注意してみていると、たしかにハリウッド映画の雪は雪らしくない。「ダイ・ハード2」(好きですけどね)だって、かんじんの雪だけは、なんか龍角散みたいでろくなもんじゃなかった。ずっと低予算の伊丹映画「マルサの女」冒頭シーンは、メイキングによれば真夏に撮影されているのだけれど、こちらの雪は実に真に迫ってみえる。一体この差は何なのだろう。そういえば西洋人には蛇の絵が描けないと指摘する荒俣宏にならって、アメリカ人には美少女キャラが描けないと指摘したのはほかならぬこの私だが、だからといって、なにも日人の認知表現能力の優位を誇りたいわけではない。 ずっと奇怪に感じていたことがある。邦画というジャンルにつきまとう不自由さだ。まるである種のリミッターがかかっているかのように、邦画はその限界において均質である。

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