1.「言説を紡ぐ/に対する態度」の補足として。 北田 さっきの脳の話で言うと、斎藤環さんがお怒りになっていた「ゲーム脳」論がありました。斎藤さんの反論はおそらく正しい。しかし、問題は斎藤さんを無条件に支持する人たちです。たぶん斎藤さんを支持する人たちの多くにとっては、斎藤さんの反論は本当は専門的すぎてわからないはずなんです。しかし、とにかく「知の欺瞞」の臭いがしたものに対しては徹底的に叩くということになってしまっている。[中略]デリダもドゥルーズもちゃんと読んだことはないけど、こんな偉い自然科学者たちが批判してるらしいから、これはもうダメなはずだ、と。人文学的な解釈ゲームに対する違和感が、そのまま「反人文主義」へと直結し、ゲームを終結させてくれる自然科学的な言説への無条件的な信頼へと直結する。デリダの言ってることもソーカルが言っていることも実は同じぐらいよくわからないんだけれども、ソーカル