消費税のインボイス(適格請求書)制度が10月に始まるのを前に、反対する集会が25日、東京・永田町の首相官邸前で開かれた。影響を受ける個人事業主らが「断固反対」と声を上げた。 「インボイスは弱い者いじめの増税だ」「死活問題」「働く者のための税制を考えて」。フリーランスで働く配達員や俳優、英会話講師、漫画家らが代わる代わるマイクを握って窮状を訴え、1000人を超える人たちが耳を傾けた。野党の国会議員も顔をそろえ、連帯を呼びかけた。
消費税のインボイス制度が10月1日にスタートすると、対応のための新たな業務が発生し、全国で毎月約3400億円の人件費が発生する可能性がある――電子帳簿サービスなどを提供するLayerXがこんな調査結果を発表した。 政府はインボイス制度により年間約2500億円の税収増を見込んでいるが、わずか1カ月で想定年間税収を上回るコストがかかる計算だ。 手作業によるインボイス対応を体験できるLayerXのツール「インボイス制度対応 体験キット」を使った研修を行った40社・200人の作業時間を基に、請求書の支払処理と経費精算の処理に関わる平均時間を算出した。 その結果、手作業でインボイス対応を行った場合の作業時間は、請求書支払処理で1件当たり15分、経費精算で同5分増えていた。 この作業時間をベースに、経理1人当たりの追加業務負担を計算したところ、月約1~2営業日増加することが判明。経理以外の従業員も、1
「インボイス制度の中止を求める税理士の会」は5日、消費税のインボイス(適格請求書)制度の10月実施が迫るもと、東京都内で勉強会を開きました。インボイスの導入で1000万人超の事業者が影響を受け2兆円規模の大増税になり、公平・中立・簡素という税の3原則に全く当てはまらず、税制が社会を壊そうとしているとき、中止の声をあげようと確認しました。 菊池純代表は「全く国民のためにならない制度です。税理士の会は引き続き反対活動を続けていきます」とあいさつしました。 各税理士が問題点を解説しました。土屋栄悦氏は「国は『複数税率のもとで適正な課税を確保するためにインボイスが必要』というが、なくてもできている。導入の理由がない」と指摘。高橋紀充氏は、消費税の納税義務者は法律上、消費者ではなく事業者であること、消費税分はモノやサービスの対価の一部にすぎず「益税」は発生しないことを語りました。 「インボイス制度を
政府税制調査会(首相の諮問機関)の中期答申を巡り、給与所得者を対象にした「サラリーマン増税」への懸念がインターネットを中心に、いまだ消えていない。岸田政権は増税を否定したものの、物価高がやまない中、増税が家計に追い打ちになりかねないからだ。答申は退職金の優遇税制や給与所得控除の見直しなどの課税を示唆しているとも読み取れ、財政の専門家からは「取れるところから取る発想だ」などの指摘が上がる。(市川千晴)
(写真)インボイス中止、消費税5%減税をアピールしながら市内を走る自動車=27日、長野市(画像の一部を加工) 消費税のインボイス(適格請求書)制度の実施延期・中止や、消費税5%への減税を求める自動車パレードが27日、長野市で行われました。ステッカーを車体に貼った軽トラックや自家用車など14台が連なり、「10月実施はインボイスではなく消費税5%への減税」とアピールしました。 さまざまな業種で働く人たちが参加し、パレード前の集会で生活や生業(なりわい)の苦労を語りました。 長野市で大工をしている男性(67)は「資材価格も高騰し、長野はガソリン価格も全国で一番高い。この中でインボイスが始まったらどうなるか。不安だ」と語ります。長野市議会では、インボイス実施延期を求める請願が不採択になったと憤り「9月には長野市議選がある。私たちの思いを代弁してくれる人を選びたい」と話しました。 同市で印刷業をして
政府は2024年度予算の概算要求で、日本、英国、イタリアによる次期戦闘機の共同開発をめぐり、物品の輸入に伴う消費税を免除する特例措置を検討していることが判明しました。通常、輸入品には消費税法に基づいて消費税が課されますが、政府は、開発を管理する国際機関を設立し、同機関が輸入する物品に対する消費税を免除する方針です。 政府は10月にも、消費税の「インボイス(適格請求書)」制度を開始し、中小事業者に多大な負担を課そうとする一方で、兵器開発には消費税を免除し、巨大軍需企業の優遇を狙っています。 政府は昨年12月、日英伊の共同首脳声明として次期戦闘機を35年までに共同開発する事業「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」を発表。現在は各国がそれぞれの民間企業と契約し、開発を進めていますが、政府側が国際機関を、企業側が民間統合組織を設置することで、契約を一元化しようと狙っています。 国際機関は、各
消費税のインボイス(適格請求書)制度が10月に実施されようとするなか、消費税廃止各界連絡会は「10月実施はインボイス制度ではなく消費税5%への減税!」と呼びかけ、24日を中心に35都道府県で全国一斉宣伝行動に取り組みました。 24日、東京・新宿で10団体50人が行ったデモ行進に、静岡県の不動産業の男性(35)がSNSを見て参加。「インボイス制度は所得の低い、多くの職種の人に大きな負担があります。複雑なこの制度はやめるべきです」と話しました。 デモに先立つ宣伝で全国商工団体連合会の岩瀬晃司副会長は「大企業の内部留保500兆円の一部を国民に還元すれば生活はよくなる。消費税を引き上げる必要はない」と述べました。 新日本婦人の会の藤井住枝中央常任委員は「政府は大軍拡のために私たちに大増税を押し付けようとしている。物価高騰対策として104カ国・地域が付加価値税(消費税)を減税している。日本でも絶対に
消費税のインボイス(適格請求書)制度が10月から始まることに伴い、毎月の電気代が来春、月1〜2円程度ではあるが値上がりする予定だ。同制度によって新たに発生する電力会社の負担分を電気代に上乗せして補うためで、わずかな金額とはいえ消費者にしわ寄せがいく格好。インボイスに反対する人たちからは「公平性を欠き、制度の問題が浮き彫りになっている」と不満の声も上がっている。(砂本紅年) 新たな負担は、一般家庭の太陽光パネルなどで発電された電気を買い取る「固定価格買い取り制度」(FIT)により生じる。これまでは納税額を少なくする消費税の「仕入れ税額控除」という仕組みにより、電気を発電事業者から買い取る時に支払う消費税と、消費者に電気を売る時に受け取る消費税は相殺されているとみなし、電力会社は納税する必要がなかった。 しかし、インボイス制度開始後は、相殺するにはインボイスが必要になる。発電事業者である一般家
「全く考えていない『サラリーマン増税』うんぬんという報道があるが、どうなんだ」 岸田文雄首相は25日、自民党の宮沢洋一税制調査会長と首相官邸で会談した際、税制を巡る一部報道について不満をあらわにした。宮沢氏が会談後、記者団に明らかにした。マイナンバー問題などの影響で内閣支持率が下落している中で、さらに世論の反発を招きかねない報道に、いらだちを募らせているようだ。 宮沢氏によると、首相が指摘したのは、6月30日に政府税制調査会(首相の諮問機関)が提出した答申について。答申では個人所得課税の項目で非課税となる手当について「妥当であるか、必要性も踏まえつつ注意深く検討する必要がある」と明記。現在は非課税である通勤手当などを列挙したことで、一部メディアなどが「サラリーマン増税になるのではないか」と報じていた。
消費税のインボイス(適格請求書)制度の登録取り下げ・失効件数が累計1万630件(6月末時点、グラフ)にのぼり、直近では急増していることが23日までに「インボイス制度を考えるフリーランスの会」(STOP!インボイス)の調査でわかりました。 調査は、国税庁「インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト」のデータを基に、2022年5月以降の当月と前月の登録番号を全件(23年6月末時点の登録件数331万8422件)比較。前月に登録されていた番号が当月になくなっていた場合に取り下げとしてカウントし、毎月集計し続けました。失効には、廃業・合併・経営統合などにより登録番号を抹消したものも含まれています。 実施予定の10月が迫る中、5月は前月の2・6倍の1898件、6月は5月の2・1倍の3997件と急増。一方で単月あたりの新規登録件数は最高時(22年11月)の29万件と比べ、23年5月19万件、6月16万
「STOP!インボイス」。10月予定の実施が迫る消費税のインボイス(適格請求書)制度に反対して自営業者、建設業者、地元選出議員らは21日、東京・池袋駅前でプラカードを掲げ、次々に訴えました。豊島、文京、練馬の消費税廃止各界連絡会が共催。70人が参加し、地方議会にインボイス中止意見書を求める署名への協力を呼びかけました。 印刷業の長谷川清・豊島民主商工会会長は「物価が高騰し、コロナ融資の返済ができないなかで倒産が相次いでいる。それなのに営業と暮らしを脅かすインボイスをなぜ導入するのか。怒りを持って中止を求めよう」とアピールしました。 練馬区で教材を取り扱う井賀眞一・練馬民商会長は、国税庁がインボイスを周知する文書を送るなど、推進側は登録が進まないことに焦っていると指摘しました。 文京区で豆腐店を営む小林秀一さんは「売り上げの1割にかかる重税の消費税を廃止する第一歩としてインボイスを中止させよ
文化団体連絡会議(文団連)は29日、政府が消費税徴収のため導入しようとしているインボイスが文化活動に与える影響を学ぶ学習会を東京都内で開きました。日本共産党の大門実紀史前参院議員が「消費税とは何か インボイスが文化活動を破壊する」と題して講演しました。 大門氏は「インボイスの問題は政府が考える消費税大増税の将来像と密接につながっている」と指摘しました。政府は「消費税20%の世界」を目指しており、そうなったときに三つ以上の軽減税率を採用することを考えている、そのためにはインボイスが必要となり、その「地ならし」として今回のインボイス導入が進められようとしていると説明。導入されれば、年収1000万円以下のフリーランスの免税業者に網がかかると警告しました。 免税業者のままでは取引から除外されかねないため、やむなく課税業者となった場合、ほぼひと月分の収入が消費税として徴収されることになると指摘。「こ
消費税が導入されて34年を迎えた1日、消費税を減税し、岸田政権による大軍拡・大増税を止めようと消費税をなくす会が全国各地で宣伝しました。東京・巣鴨駅前では「消費税を5%に インボイス中止を」と書かれた横断幕を掲げて署名行動をしました。 全国の会の前沢淑子事務局長は、国の政治を変えるため統一地方選で消費税率5%への減税、インボイス(適格請求書)制度実施中止を公約する議員をたくさん議会に送ろうと強調。「軍事費2倍化、戦争への道を進む岸田自公政権ストップの声を広げていこう」と呼びかけました。 上野美千代常任世話人は、一人親方をしている自身の息子が親会社からインボイスに登録するよう迫られていると紹介。「インボイス実施を中止させよう」と訴えました。 東京の会の林幸二事務局長は「高齢者や収入のない人からも消費税を取るなんて、能力に応じた負担を求めている憲法に違反しています」と指摘しました。 署名した千
10月1日に導入が狙われている消費税のインボイス(適格請求書)制度の中止を求めて30日、税理士やライター、声優、俳優など多彩な人たちが国会内外で声をあげました。衆院第2議員会館前では、「STOP!インボイス」が初となる街頭宣伝を実施し、「勝手に通すなインボイス制度」とアピールしました。 「私がSTOPインボイスの声をあげる理由」と書かれたプラカードを手に多くの人が参加し、次つぎとマイクを握りました。 声優の岡本麻弥さんは、インボイスはエンタメ業界だけでなく、社会の多様性が失われる制度だと訴え。「山のすそ野が削られてしまえば、種をまいても芽吹きません。政治の話は、私たちの生活の話です。主権者として声をあげましょう」とスピーチしました。 自身のユーチューブチャンネル「どんぶり勘定事務所」で積極的にインボイスについて発信している税理士の神田知宜さんは、多くの問題点があるインボイス登録を急ぐ必要は
日本共産党の小池晃議員は17日の参院財政金融委員会で、個人タクシー業界でインボイス(適格請求書)の登録が押し付けられているとしてインボイス中止を強く求めました。 小池氏は、個人タクシー事業者への研修会では「インボイスへの理解がほとんどないまま登録を促されている」と指摘。星屋和彦国税庁次長は▽登録取り下げ書の提出で取り下げ可▽取り下げ後も登録申請書の再提出で再登録可―などの対応方法を示しました。 東京では個人タクシー事業者組合ごとに車上のあんどん(表示灯)の形が異なりますが、このうち日個連東京都営業協同組合では免税事業者のままの場合、全額自己負担で緑色のあんどんに換えるよう指示しています。 小池氏は、インボイス実施により東京では組合別、課税・免税事業者別などで個人タクシーのあんどんが5種類になるとして、乗客とのトラブルを不安視する声を紹介。鈴木俊一財務相は「初めてうかがった」と明らかにしまし
今年54回目を迎える3・13重税反対全国統一行動(同実行委員会主催)が、13日を中心に各地で取り組まれます。実行委員会の事務局団体、全国商工団体連合会(全商連)の太田義郎会長に、今年の行動の特徴と意義を聞きました。 今年の行動は、「戦争か平和か」が問われ、国民主権に基づく申告納税制度の大改悪が狙われる重大局面で行われます。 岸田政権が3月末までに国会成立を狙う「税務相談停止命令制度」は、税理士でない者が行う税務相談を停止させる権限を財務大臣に与えるものです。従わなければ罰則が科されます。脱税や不正還付を指南する税務相談を未然に防ぐという口実で営業広告を停止させるなど実力行使もできる危険な制度です。 弾圧立法許さず 重大なことは、岸田政権が大軍拡へと突き進み、国民に重税を押し付けながら人権侵害の税務調査と徴収を強める中で命令制度が持ち出されたことです。かつて、戦争への反対が弾圧された戦時の治
国民負担率とは何か。財務省のホームページには、「租税負担率と社会保障負担率の合計」とある。租税負担は、個人が納める住民税や所得税、企業が納める法人税などを指す。社会保障負担は、労使で分けあって払う年金、雇用保険、介護保険などの保険料だ。 国民負担率を計算するには、こうした租税・社会保障負担の合計を、個人や企業が稼いだ「国民所得」で割る。ざっくり言うと、個人や企業のもうけ(分母)に対し税金・社会保障の負担(分子)が占める割合を表している。 国民負担率は1967年の財政制度等審議会で政府側が出した資料に初めて登場した。財務省の西川昌孝調査課課長補佐は「昭和40年代(1965年~)から算出していたようだ」と話す。公表が始まった1970年度は24.3%で、年ごとの増減はあるもの、79年度(30.2%)に3割を超え、2013年度(40.1%)に4割を突破。21年度は48.1%で過去最高になるなど、近
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