MetaMoJiはジャストシステムの研究プロジェクトを引き継ぐ形で浮川氏らが2009年に設立した企業だ。同社ではいくつかの技術研究を進めていたが、iPadの登場を機に、手書きアプリの開発に注力したという。 「iPadを見て、これは世の中変わるなと。『同じような物は何年も前からあった』と言うメーカーさんもいるだろうが、手書きの性能をはじめ完成度の高さが違う。みんなで触っているうちに『絶対これで(事業を)やろう』ということになった」(浮川氏) 製品には何よりコンセプトが必要だと語る浮川氏。同氏の言葉からは、PCで日本語を“自然”に扱えるようにする長年のこだわりが伝わってくる。日本語入力の黎明期、コンピューターの記憶媒体の容量がとぼしい時代には、アルファベットよりもデータ容量を食う日本語表示は不要とされる向きもあったが、「日本にいれば日本語が当たり前」(浮川氏)という信念で同氏はジャストシステム