(高世 仁:ジャーナリスト) ウクライナ軍がロシア軍と対峙する前線で何が起きているのか。冬を前にした10月下旬、激戦が続くウクライナの東部戦線と南部戦線を訪ね、実態を取材した。 >>写真で見るウクライナ陸軍第28独立機械化旅団のドローン運用の様子 【第1回】戦地潜入、日本人記者が見た武器・弾薬不足をカバーするウクライナ兵の士気 【第2回】撃破した露軍戦車の残骸「再利用」して爆弾作り、ウクライナ弾薬不足の深刻度 反転攻勢失速の原因はやはり航空戦力不足 ウクライナは6月、ロシア軍に対する本格的な反転攻勢を開始した。だが、それから半年たっても戦線は大きく動かず、膠着状態に入っている。 ウクライナ軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官は、11月1日付けの英誌「エコノミスト」で、戦争が第1次世界大戦時のような「陣地戦の形態」(positional form)に移行しつつあることに危機感を示した。戦争の長