米国労働省が2021年10月に公表した9月の雇用統計は、見るに耐えない内容だった。9月の新規雇用者はわずか19万4000人で、アナリストが予測した50万人を大幅に下回ったのだ。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行直前だった2020年2月と比べると、現在の就業者数は500万人少ない。公式な失業者数は770万人だ。他にも仕事を求めている人は600万人いるが、積極的に職探しをしていないため、失業者としてはカウントされていない。 にもかかわらず、求人数は記録的な多さに上っており、全米各地の雇用主は、給与額を引き上げてもなかなか欠員を補充できずに苦労している。 労働市場で、いったい何が起きているのだろうか。 ひとつの問題は、新型コロナウイルス感染症への恐怖心かもしれない。しかしより重要なのは、働く者を罰し、働かない者に報いる連邦政府の政策だと思われる。長期的に見た場合はまさにそうだ。