デービッド・フォンさんが中国中部の貧しい村を出て、急発展を遂げる南部の深センに移り住んだのは、若かった1997年のことだ。それから25年間、外資系メーカーを転々とした末、通学かばんから歯ブラシまで幅広い製品を手がける数百万ドル(数億円)規模の企業設立にこぎ着けた。 6月13日、デービッド・フォンさんが中国中部の貧しい村を出て、急発展を遂げる南部の深センに移り住んだのは、若かった1997年のことだ。写真は深センのオフィス街を歩く建設作業員。10日撮影(2022年 ロイター/David Kirton) 47歳になったフォンさんには、インターネットに接続できる消費者向け機器を製造して海外進出する計画がある。しかし新型コロナウイルス対策で2年にわたってロックダウン(都市封鎖)が繰り返されたことで、出荷コストは上がって消費者心理は冷え込んでしまった。今では会社が存続できるかどうかを心配している。 「
「全てをMade in Chinaに」は正しい戦略なのか?:専門家が警鐘を鳴らす(1/4 ページ) 中国 清華大学の教授であり、中国半導体産業協会(CSIA:China Semiconductor Industry Association)の半導体設計部門担当チェアマンを務めるWei Shaojun氏は、2020年11月5~6日に中国・深センで開催した「Global CEO Summit 2020」で基調講演に登壇し、『全てをメイドインチャイナに(All Made in China)』という戦略は、果たして正しい選択なのだろうか」とする疑問を投げかけた。 「All Made in China」に疑問を呈する 中国 清華大学の教授であり、中国半導体産業協会(CSIA:China Semiconductor Industry Association)の半導体設計部門担当チェアマンを務めるWei
話題の無人ホテル「楽易住智慧(LeYeJu Smart Hotel)」が深セン市で店舗数を増やしている。 深セン市では毎年のように登録人口も訪問客も増えており、不動産やホテルの値段も上がっているが、このホテルは新しいイノベーションを感じさせる。 このホテルは、WeChatのミニプログラムという機能を使って予約ができるようになっており、予約が完了するとすぐにSNSでエントランスのパスワードを教えてくれるようになっている。 今回は深セン市の東門駅から徒歩5分ほどの場所で予約を入れた。行ってみると古めのオフィスビル6階の全フロアがホテルになっていた。 さっそくSNSで教えてもらったパスワードでエントランスに入る。 エントランスに入ると確かに誰もいない。 そこには2台の受付パネルがあり、そこでチェックインを済ませるようだ。 まずこの機械の前に立ち、身分証明書をスキャンし、顔の登録をすませる。そうす
中国は常々、「国内の半導体業界とサプライチェーンを確立し、米国への依存を減らしたい」とする熱意を表明しており、それに関するさまざまな情報がひっきりなしに流れている。しかし中国は、このような目的を実現する上で、正しい方向に向かっているのだろうか。 中国は常々、「国内の半導体業界とサプライチェーンを確立し、米国への依存を減らしたい」とする熱意を表明しており、それに関するさまざまな情報がひっきりなしに流れている。しかし中国は、このような目的を実現する上で、正しい方向に向かっているのだろうか。 筆者は、2019年11月に中国を訪れた時、エレクトロニクス業界の国内外メーカーの経営幹部やアナリストたちに疑問を投げかけてみた。 誰もが、「中国のBig Fund(中国の国家IC産業投資基金)は、期待通りの成果を生み出すことができる」と確信している中、フランスの市場調査会社Yole Développemen
テクノロジーの進化と、新しいテクノロジーの普及の速度がますます上がっている。どんな商売をするにしてもテクノロジーの利用は不可欠になり、米国でも中国でも、要望に応じてシステムを受託開発する「SIer」という業態は衰退し、自社で開発することが当たり前になっている。 新たに開発されるシステムが増え続けていることを背景に、「データベース」「プログラムの実行環境」など、システムに必要な要素をサービスとして提供する企業も増えてきた。こうしたサービスは米アマゾン・ドット・コムや中国のアリババ集団も手掛けている。インターネットを利用したシステムをつくる際に、自社ですべてを賄う考え方は完全に時代遅れになり、さまざまなサービスを利用して、自社で必要な小さな部分のみを素早く開発する手法が主流になってきている。 このようなやり方でスタートアップを立ち上げる「リーン・スタートアップ」がシリコンバレーでは一般的になっ
世界にユニコーン企業(推定企業価値が10億ドルを超える未公開企業)は300社以上あるといわれる。中国には202社で、2019年第1四半期には中国で21のユニコーンが新しく生まれたとの調査もある。 2013年に創業したロボットメーカーのメイクブロックは2018年8月時点の推定企業価値が3億6700万ドルといわれるユニコーン予備軍だ。同社は、科学・技術・工学・数学に重点を置くSTEM(ステム)教育用のロボットを手掛ける。 子どもたちはモーターやセンサーなどを内蔵した数十種類の部品を組み立てた後で、アプリをダウンロードして、センサーを制御するプログラミングを学ぶ。コースの上を走らせたり、障害物をよけたり、他のロボットと対戦したりと、楽しみながら学習できる。米有力ベンチャー・キャピタルのセコイア・キャピタルの中国支社などが出資している。2018年12月期の売上高は約2億元(約31億円)だ。 王建軍
深センでハードウエア製造を手がけるジェネシス・ホールディングスの藤岡淳一社長の元には、日々多くの製造相談が舞い込む。相談は大きく分けて以下の2パターンだという。 1.ハードウエアについてはざっくりしたイメージしかない 2.自分の手元に(大量生産用でなくても)動作するプロトタイプがある いずれのパターンにせよジェネシスのビジネスは、実際の製造とハードウエアの返品・交換を含めたサポートを提供することで成り立っている。今回、藤岡氏が動画でも触れているように、アンドロイドセットトップボックスを深センで製造した場合と日本で製造した場合の違いが、深センに蓄積されたサプライチェーンの価値を雄弁に物語っている。 前回紹介したデザインハウスを中心に多くの中小企業が協業しながら、各社が少しずつイノベーションを製品に反映させる深センの製造業エコシステムは、単一の大企業が音頭を取ってすべてを自社開発する日本の垂直
モデム、CPU、メモリーなどの複数の機能を統合したSoC(System on Chip)は最近のIoT機器に欠かせない。Qualcommの「Snapdragon」シリーズやMediaTekが投入する統合チップは、さまざまなスマートフォンが短期間で開発されるエコシステムの重要な一部だ。SoCそのものを作るのはこれまで大企業に限られた話だったが、そこを大衆化させるビジネスを手がけるベンチャーがzGlueだ。 SoCによりIoT機器の開発速度は上がる CPUやメモリー、WifiやBluetoothといった通信機能を、一つの半導体チップ内にまとめたSoC(System on Chip)は、安価で高性能なICT/IoT機器が続々登場するエコシステムの一部になっている。ICT機器の開発においては、自作PCのようにCPU、メモリー、グラフィックボード、記憶素子、無線機能などにそれぞれ必要な機能を備えたチ
店舗スマート化を進めるトライアル、小売業専用のAIカメラを独自開発:人工知能ニュース(1/2 ページ) 福岡県を中心に大型スーパーマーケットを展開するトライアルホールディングスが、子会社のRetail AIが独自に開発した「リテールAIカメラ」を披露。併せて、トライアルのフラグシップ店舗である「メガセンタートライアル新宮店」(福岡県新宮町)にリテールAIカメラを1500台導入してスマートストア化すると発表した。 福岡県を中心に大型スーパーマーケットを展開するトライアルホールディングス(以下、トライアル)は2019年4月15日、東京都内で会見を開き、子会社のRetail AIが独自に開発した「リテールAIカメラ」を披露した。併せて、トライアルのフラグシップ店舗である「メガセンタートライアル新宮店」(福岡県新宮町)にリテールAIカメラを1500台導入してスマートストア化し、同年4月19日にリニ
hidemi.hatenablog.com 前回のブログでは皇岡か羅湖から入国して、国境でビザをもらえるというお話しでした。今回は具体的にどこでもらえたかです。 皇岡口岸・羅湖口岸でのビザのもらい方 転載を禁止します こちらが現地でもらえるビザです。11/10に入って、11/15まで有効でした。 深圳経済特区内のみ有効です。深圳から他の中国地域へ行くことはできません。 皇岡口岸への行きかた 香港空港からA43Pというバス(31香港ドルほど)に乗ります。だいたい40分くらい、新田バスターミナルにつきます。ここでイエローバス(10香港ドル)に乗り換えます。 ここで日本人の方やすでにビザをお持ちの方はこの新田バスターミナルからB21というバスに乗って福田口岸に行くこともできます。この場合、トータル31香港ドルで香港空港から深圳に入れます。イエローバスの分がお得です。 イエローバス イエローバスに
トランプ米大統領も警戒感を強めているとされる中国の技術力。半導体やAI(人工知能)などのハイテク分野では中国発のスタートアップが続々と誕生し、中国の産業高度化をけん引する役割を果たしつつある。そんなスタートアップが集まる都市の一つが香港に隣接する広東省の深圳だ。中国発技術革新「チャイノベーション」を体現するという深圳に足を運び、熱源を探ってみた。 「何をしている! ここがどこかわかっているのか!」。ガードマンの鋭い声が響き、そのまま古い雑居ビルの事務室に連行された時は流石に冷や汗が出た。 2009年ごろ、中国広東省の深圳を訪れた時のこと。「華強北と呼ばれる秋葉原のような電気街があり、海賊版の携帯電話がたくさん売っているらしいよ」。知人にそう聞いて足を運んだら、本当に米アップルや韓国サムスン電子を真似た海賊版の携帯電話が多数陳列されている。面白がって不用意に写真を撮っていたところを見咎められ
「深圳ならではの、北京にもシリコンバレーにも東京にもいないようなメイカーを紹介してほしい」と言われたら、僕はまず前々回で紹介したエリック・パンを挙げるだろう。もう一人と言われたら、今回紹介する「山寨王」ことロビン・ウーだ。彼のストーリーには、深圳で行われている「社会実装イノベーション」がすべて詰まっている。 「メイカーは山寨に生まれ、アフリカに走る」。広東省・広州で行われたTEDx。ロビンはこんなテーマでトークを行い、会場の大喝采を浴びた。 ロビン・ウーは1983年生まれ。先ほど挙げたエリック・パンと同い年で、やっと30代半ばに入ったところだ。深圳大学を卒業後インテルに入社。在学中から電気街の電気店でバイトを始め、めきめきと頭角を表した。もともと商売に対する才覚を磨いていたようだ。2009年に自らの会社を立ち上げた彼を一躍有名にしたのは2010年の出来事だ。 サンフランシスコでアップルのス
アメリカ発祥のDIYの祭典、メイカーフェア。会場では、アイデアのままに作ってみた制作物が並ぶ。アメリカではオバマ政権時にホワイトハウスでも開催された。中国で最初にメイカーフェアを開催したのが深圳に本社を置くSeeedだ 中国本土ではMakerに「創客」という漢字をあてる。台湾では「自造者」とあて、手を動かして自ら造る意味がうかがえるが、中国本土の「創客」はスタートアップの「創業」、イノベーションの「創新」、クリエイティブの「創造」などと並んで、形而上学的なニュアンスを含んでいるように見える。マスイノベーションのスローガン「大衆創業 万衆創新」の担い手が「創客」だ。 深圳のメイカー文化を主導し、中国全体のスローガン「大衆創業、万衆創新」のモデルとなったのがSeeedという企業である。Seeedの規模はそれほど大きくない。2008年創業で、現在の社員は200人ほど。同じ深圳に本社があるファーウ
第3回の「日本で1億円の開発費、深圳だと500万円」は多くの方が読んでくださり、そこで書いたパブリックなマザーボード「公板」について詳しく聞きたいという問い合わせがきた。今回は公板が生み出されるエコシステムについて、より詳しく説明する。 「日本で1億円の開発費、深圳だと500万円」で紹介したように、深圳ではコモディティ化したテクノロジーをモジュールにしたマザーボードである公板(Gongban、Public Board)、コモディティ化した外装が射出成形されたプラスティック素材である公模(Gongmo、 Public Prastic)が売られ、それを組み合わせたり一部分だけ追加機能をつけたりすることで、非常に高速に、かつ安易に新製品が「発明」されている。買ってきたカレーとトンカツを組み合わせてカツカレーを「発明」するようなものだ。 一方で、そうした「アリモノ」の組み合わせで開発する会社がほと
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