文・別府 洋美(日立総合計画研究所 社会・生活グループ 主任研究員) レセプトとは、病院で診察を受けた際、患者の自己負担分以外の料金、すなわち医療保険負担分の料金を、医療機関が保険者に請求するための書類で、診療報酬明細書ともいいます(介護保険を利用した場合の保険分請求で利用されている書類も同じくレセプトと呼びますが、今回解説する「オンライン請求の義務化」の対象となっているのは「医療保険」のレセプトなので、本稿では対象外とします)。 レセプトは1カ月単位に1患者の診療請求内容を入院・外来、医療保険別に分けてA4サイズの規定フォーマットに取りまとめたもので、診療内容によってはレセプト1件で数十枚に及ぶこともあります。全国に約9千施設ある病院、約10万施設ある診療所、約6万施設ある歯科診療所、および約5万施設ある調剤薬局で毎月末締めにて作成されるレセプトは約1億2千万件にも及びます。 この膨大な