第98回 イラク戦争の二の舞を演じる米国 ―― 今度はイランで 経営コンサルタント 大前 研一氏 2007年10月10日 イランの核問題が緊迫した状況になってきた。かつてないキナ臭さをわたしは感じている。 去る9月24日、IAEA(国際原子力機関)は、ウィーンで開催された定例理事会でイランの核問題を議論をした。依然として核兵器開発疑惑がくすぶり続けるイランの保障措置協定違反を認定するとともに、ウラン濃縮関連・再処理活動の再停止を求める決議が採択された。我々日本人の感覚からすれば、これはごく結構なことだろうと思う。しかしこの採択を快く思っていない国がある。米国だ。 この定例理事会の1カ月前の8月、IAEAはイランがウラン濃縮活動を継続していることを認める報告書を提出している。しかしイランの濃縮拡大のペースが鈍化していることから、IAEAは今後の話し合いによる解決を進めようとしている。前