ドイツでは現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として準備した財政資金の未使用金600億ユーロ(約9兆8000億円)を「気候変動基金(KTF)」振り向けるというドイツ政府による予算調整措置について、違憲判決が下されたことが大きな話題になっています。突如として600億ユーロという巨額の資金を「失った」政府は、その穴埋めに奔走しているのですが、IntelやTSMCなどが予定するドイツ国内の半導体新工場に対する補助金の一部も、このKTFから支出される予定となっているため、その影響が懸念されています。 関連記事 欧州に進出するTSMCの狙いと、半導体産業への影響 TSMCは2023年8月、ドイツ・ドレスデンに欧州初の半導体工場を設置する計画を正式に発表した。今回、TSMCへのインタビューなどを通じて、同社の狙いと世界半導体産業への影響を考察した。 TSMCのドイツ進出、巨額の補助金