工場の取材では時々、「ちょっとエッジが立ちすぎているかな」という疑問が頭をよぎることがある。デジタルトランスフォーメーション(DX)に関するケースでは特に多い。人工知能(AI)やAR(拡張現実)/VR(仮想現実)を駆使し、独自開発の無人搬送車(AGV)を利用して、予知保全や大胆な自動化に挑む――。そんな実例の取材が連続すると、一般的な読者が憧れはするものの距離を感じてしまうのではないか、と不安を覚えるのだ。そもそもエッジが立っているケースを選択しているのだから、当然と言えば当然なのだが。 ローカル5G(第5世代移動通信システム)に関する取材でも、同様の不安を抱えていた。 総務省から免許を取得した企業などが、オフィスや工場など限定された範囲で5Gのネットワークを構築できる「ローカル5G」。「高速・大容量」「高信頼・低遅延」「同時多接続」という5Gのメリットに加え、高度なセキュリティーや独自ネ