サバやカツオ、サンマの身に潜んでいたものが原因で、背景には生食ブームがあるとみられる。こうした事態を受け、目黒区保健所は3月4日、寄生虫の専門家による講演会を開き、注意を呼びかける。 都食品監視課によると、寄生虫による食中毒は、統計を取り始めた1999年以降、0〜2件で推移していたが、昨年は6件、今年は1月だけで2件発生した。昨年と今年の内訳は、すし店などで出されたしめサバ4件、市販の生カツオ1件、弁当店の生サンマすし1件などだった。 調べたところ、寄生虫「アニサキス」の幼虫が原因だとわかった。回虫の仲間で体長2〜3センチ、太さ0・5ミリ程度。鯨やイルカに宿るが、卵がフンと一緒に海中に出て孵化(ふか)し、オキアミの餌になる。それを食べたカツオやマグロなどの魚を、人間が刺し身で食べると、幼虫が胃の粘膜などに侵入して激痛に襲われる。87年、森繁久弥氏を舞台出演中に急性腸閉塞で入院させた寄生虫と