東京と福岡で開かれていた「肉フェス」で、鶏肉による食中毒の危険性が報じられた。生焼けの鶏肉料理を食べて、カンピロバクターに侵されたというのである。だが、一部の県民は「鶏を生で食べても大丈夫」という俗説があるらしい。本当だろうか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が考察する。 * * * 先日、「肉フェス」の食中毒騒動直後、あるニュースサイトで「鶏の生食におけるカンピロバクター食中毒の危険」について原稿を書いたところ、Facebookに「鹿児島県民に限り、カンピロバクターには強いのです」というコメントが寄せられた。 調べてみると確かに現地では、「鹿児島・宮崎県人は鶏の生食に当たらない」という説はあるらしい。「5人で鶏刺しを食べたところ、福岡、長崎、熊本出身者はカンピロバクター食中毒になったが、鹿児島・宮崎の学生はあたらなかった」という逸話もある。 上記の「鹿児島・宮崎県人はカンピロバク