賞味期限の切れた食品は、ただちに食べられなくなるわけではない。では、いつまで食べられるのか。科学ジャーナリストの松永和紀さんは「食品製造時の衛生環境や容器包装の種類、保存条件などによって、食品を安全に食べられる期間は大きく変わる。俗説を鵜吞みにするのは危険だ」という――。 わかりやすい数字は往々にして独り歩きするが… 私は何度も、「食品ロス削減のため、賞味期限切れを捨てないで」という記事を書いてきました。でも、食の安全と食品ロス削減、両立しないことはやっぱりあります。前編での消費者庁食品ロス削減推進室の堀部敦子課長補佐の言葉が忘れられません。「もったいないという気持ちはとても大事です。でも、食品ロス対策は科学的に行うべき。安全をおろそかにした食品ロス対策はあり得ません」 そうなのです。これまでの食中毒事例など考えれば考えるほど、昨今の「もったいないから、食べましょう」の風潮に賛成しつつも、