花粉症エキスの注射を受ける花粉症患者。近年は根治療法への関心も高まっている=東京都品川区のながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニックで スギ花粉が飛散する季節がやってきた。環境省によると、この春の関東地方の飛散量は昨年の二〜五倍の見込み。日本人の三割に及ぶともいわれる花粉症患者には、つらい毎日になりそうだ。やっかいな花粉症にどう立ち向かえばいいのか。治療法の今を追った。 (上野実輝彦) 「鼻水や倦怠(けんたい)感がなくなり、昨年の受験も乗り切れました」 横浜市都筑区の都筑メディカルクリニック(斉藤正峰院長)。二年前から「舌下減感作療法」の治療を受けている同市瀬谷区の大学一年大路樹(いつき)さん(18)が笑顔で話した。 舌下減感作療法は花粉エキスを舌の付け根に垂らし、粘膜から少しずつ体内に取り込んで体を花粉に慣らす根治療法。月に一度診察を受けるだけで、自宅で手軽にできる。大路さんも毎食後の一日三