牛生レバー禁止へ 「食のリスク」考え直す契機に 5人が亡くなった北陸の焼き肉チェーン店の集団食中毒事件から1年余。厚生労働省は、牛の生レバーの飲食店での提供を、食品衛生法に基づき来月から禁止する。 「何を食べるか、食べないか」は、極めて個別的かつ自由な行為。行政が介入し、事細かに規制することは本来、望ましいとは思えない。 しかし、生レバーの危険性は生肉に比べ圧倒的に高く、加熱以外に有効な殺菌方法はない。鮮度や処理技術にも関係がなく、腸管出血性大腸菌O157などの菌が、内深部に存在することも初めて分かった。昨年の提供自粛要請後も食中毒が4件起きており、これ以上放置はできない。 国は今後、新たな殺菌方法が確立された場合は解除を検討するという。現時点での規制は、結果の重大性を鑑みればやむを得ないだろう。 罰則つき規定による「全面禁止」という厳しい規制に、消費者や食肉業界の反発、落胆は大き