今回、この国道289号甲子登山道へ足を踏み入れたのは2003年5月10日(土)。那須高原の北側、甲子高原の気持ちの良い木立ちを西へと進めば甲子温泉へ至る。甲子峠の東、西郷(にしごう)村側の国道289号は地図上でいけば、甲子温泉直前にトンネルがいくつかあって、それが突然に終わる形になっている。ところがこの日は、そのトンネル区間にたどり着く前に通行止めの表示。旧道の方へ回される。今年のはじめに地下で地すべりが起きたか何かで、新道の方は進入禁止の措置が取られていた。 旧道をしばらく進み、最後に20%勾配の標識のある急坂を登れば、大黒屋という旅館が現れる。一瞬戸惑うが、国道289号はこの大黒屋の駐車場の方、ふもとから進んでくると斜め右前へ入っていくことになる。駐車場のどん突き、離れの建物のところで道は終わる――ように思えるが、実はそうではない。続きがあるのだ。(ここからは徒歩による。) 離れの建物