自動車の社会的費用、宇沢弘文 1974年出版の本ですが、このような真面目な本にもかかわらず、僕が買った時で第37刷でした。今でもよく売れている本で、この分野の名著です。 現代人にとって、自動車より大きなリスクは喫煙ぐらいでしょう。WHOによると、世界で毎年交通事故で死亡する人は130万人です。そして自動車は大気汚染でやはり100万人単位で人を殺しています。炭酸ガスの主要な排出源でもあります。にもかかわらず、我々はその不都合な真実を、自動車から受けられる便益と天秤にかけ、受け入れてきました。 また、自動車会社も自動車の利用者も、これらの外部性の費用を払っていません。これらは巧妙に社会に転嫁されてしまっているのです。 著名な経済学者(ただし、晩年はちょっとボケてTPPに反対したりおかしなことをいっているようです)である宇沢氏が、自動車が生み出す交通事故や大気汚染の社会的費用をていねいに解説して