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ブックマーク / newsweekjapan.jp (11)

  • iPadは新聞も雑誌も救わない

    インターネット時代が訪れる前の話。イタリアの哲学者ウンベルト・エーコは、アップルとマイクロソフトの違いをカトリックとプロテスタントの違いに例えた。 マイクロソフトのパソコン用OS(基ソフト)MS-DOSを基にしたオープンな世界では、「救済」に至る道も百人百様。だが、唯一の正統な教会たるアップルのマックOSの世界では、「信者は何から何まで教会の指示に従わなければならない」。 今や「キリストのタブレット」とまで呼ばれるほどのiPadの好調とともに、アップルのカトリック的傾向は加速しているようだ。 発表前のiPadは、単なる企業秘密というより宗教的神秘に覆われていた。宗派の指導者たるアップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は、今や十字架と同じくらい認知度が上がったアップルロゴの下に集った「ミサ」で、彼の「奇跡的で革命的な」新製品に祝福を与えた。 この比喩に従えば、iPad向けにコ

  • BPトップはPR史上最悪の失言男

    海は広いから大丈夫? ヘイワードは、原油流出のダメージを小さく見せようとしてかえって傷を広げている(5月28日、メキシコ湾で) Sean Gardner-Reuters 企業が世間の非難を浴びているときに、会社のトップが不適切な発言をして火に油を注ぐケースは、昔から枚挙に暇がない。投資銀行大手ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン会長は昨年、同社が金融危機の一因になったことについて問い質され、自分たちは「神の仕事」をしていたと発言してひんしゅくを買った。 もっとも、メキシコ湾で原油流出事故を起こした英石油メジャー、BPのトニー・ヘイワード最高経営責任者(CEO)の失言癖に比べれば、ブランクファインの発言すらかわいく見える。 4月20日に発生した原油流出事故では、作業員11人が死亡。メキシコ湾は錆び色の原油で覆われ、一帯の生態系と沿岸部の経済は壊滅的な打撃を受けている。 BPは当初

    ruletheworld
    ruletheworld 2010/06/06
    石油産業トップがこの程度なら今後海洋油田の開発は全面禁止しかあるまい。
  • それでもアメリカはイスラエルの言いなり

    抗議の叫び ホワイトハウス前ではイスラエルの船団攻撃を非難する抗議行動が行われた(6月1日) Kevin Lamarqu-Reuters 5月31日、支援物資を届けるためにパレスチナ自治区ガザに向かっていた支援船団をイスラエル軍が拿捕し、少なくとも9人の死者と数十人の負傷者が出た。パレスチナ支援団体や左派系ブロガーなどイスラエルを批判する人々は、この事件アメリカとイスラエルの関係の「転換点」になると期待している。 「転換点」とは、イスラエルの国防政策を断固支持してきたアメリカがその姿勢を修正するということ。オンライン雑誌「サロン」のコラムニスト、グレン・グリーンワルドは「イスラエルの目的が、可能な限りの反感と軽蔑を招くことにあるとしたら、この事件以上の成果は望めないだろう」と書いている。 国際世論の大部分と国連の反応を考えれば、グリーンワルドの分析は正しい。「ガザ封鎖を止めさせるヨーロッ

  • テキサス流、教育の殺し方

    共和党支持者が多い私の出身地テキサス州は今、保守化が加速する「真っ赤な」州になっている。それを考えれば、州内の公立高校の社会科カリキュラムの見直しをめぐる騒動は、単なる政治的な動きと片付けても問題ないだろう。 選挙で選ばれた委員15名から成るテキサス州教育委員会は、過半数近くが超保守派。彼らは一丸となって、社会問題を中心にして考えられた世界観を推奨している。 同委員会が巻き起こしている論議はほかにもある。その1つが性教育を骨抜きにしていること。同州の保健体育の教科書からは「お子様向け」でない内容がすべて削除されている(体の自己診断コーナーに女性の胸の絵を掲載するのも駄目だ)。キリスト教の天地創造説を教えず、進化論だけを教えるのは適切ではないという主張も物議を醸している。 だがこうした論議は前座のようなもの。社会科カリキュラムの見直しこそ、ヘビー級の大一番だ。この戦いには、アメリカ中が軽蔑の

  • 過激思想に走りやすい?理数系学生を警戒

    各国の情報機関はテロリスト予備軍のプロファイリングに力を入れている。いま彼らが注目しているのは、理数系の学生たちだ。 アルカイダやヒズボラ、ハマスといったイスラム教過激派組織にリクルートされるのは、医学や工学といった理数系分野の出身者が多いという。オックスフォード大学の社会学者ディエゴ・ガンベッタとシュテッフェン・ヘルトクが高学歴のテロリスト178人を調査した結果、半数近くが理数系を専攻していたことが分かった。過激な思想の持ち主が科学に詳しい傾向は、イスラム教徒に限った話ではない。ヒトラーを崇拝するネオナチにも同様の傾向が見られる。 欧米やイスラエルの情報機関は中東全域の大学で化学や物理、生物などを教える学部の監視を強化していると、欧州戦略情報・安全保障研究所のクロード・モニケ所長は言う。ブッシュ前政権でテロ対策チームの顧問を務めたフアン・ザラテによれば、米政府も大学の工学部への留学希望者

    ruletheworld
    ruletheworld 2010/03/04
    宗教右翼という反科学的思想をばら撒くアメリカ最大のテロリスト勢力が大手を振って歩き、論理的な知性に対する憎悪をこじらせるバカ国家
  • トヨタを待ち構える米議会の用意周到

    吊るし上げ? 豊田章男社長が出席する公聴会では、安全問題だけではなく情報公開に関する疑惑も厳しく追及されることになりそうだ Jonathan Ernst-Reuters トヨタ車の安全問題に対する米議会の態度は、まるで獲物を見せしめにしているかのようだ。しかし23日から開かれる一連の公聴会は、単に公の場で恥をかかせるというだけでは終わらないだろう。 公聴会ではリコール危機の今後数カ月の展開を決める、極めて重要な見解がもたらされる可能性がある。フロアマット問題による07年のリコールでは台数を5万5000台に抑えたことで1億ドルを節約したと誇るようなトヨタの内部文書が明るみに出ている。 米下院監視・政府改革委員会は22日、約5000通の文書の調査を開始。トヨタは約2年にわたってこれらの文書を隠し続けてきたが、同委員会が18日に提出を要請。文書はトヨタの元弁護士ディミトリオス・ビラーが所有するも

  • 日米関係は黄信号、問題の根はどこに?

    普天間の問題で議論が停滞すると同時に、アメリカではリコール問題でのトヨタ・バッシングが広がっています。そんな中、オバマ大統領はインドネシアとオーストラリアを訪問すると発表、その途中でグアムにも立ち寄るようです。このオバマの太平洋中南部訪問に関して言えば、そのグアムで海兵隊の移転問題に引っ掛けて「普天間に関する決断」へとプレッシャーをかけてくるのでは、そんなことが言われていますが、それ以上に気をつけなくてはいけないのはオーストラリアです。 オーストラリアは現在、日中国との問題を抱えています。まず中国との間では李克強副総理の進める資源外交に対して、石炭・鉄鉱石の開発会社への中国の出資を阻止したことで関係がギクシャクしています。また日との間では、捕鯨禁止の問題で文化摩擦が悪化をたどっています。そんな中、米中関係は「グーグル」「台湾」「ダライ・ラマ」などの問題で一気に冷え込む気配もあるわけで

  • 天皇裕仁(1901-1989)

    [1989年1月15日号の掲載記事を2006年2月1日号にて再録] 右の写真でアメリカ人記者と握手しているのは、紛れもない昭和天皇その人である。生物学者でもあった天皇裕仁がこの世を去ってから、もう18年になる。 89年1月に裕仁が亡くなると、誌は天皇崩御を伝える臨時増刊号を発行。その中で、1975年9月29日号の英語版ニューズウィークに掲載された天皇裕仁の単独インタビューを転載した(日語で出版されたのは初めてだった)。 異例中の異例ともいえる、たった一度の単独インタビューは、75年の天皇の訪米直前に誌東京支局長バーナード・クリッシャーが勝ち取ったものだ(記者の回顧録も掲載)。 今回、これまでは誌面に載らなかったやりとりも含め、計32分間の貴重な記録をここに再現する。 ----陛下はなぜ、アメリカ訪問を希望されるのか。アメリカアメリカ人に対して、何か特別な感情をもっておられるのか。

    天皇裕仁(1901-1989)
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    ruletheworld 2010/01/23
    『とくに取り上げることができるのは石油による汚染です。世界の国々が協力して防止すべきです。人々が注意深く自然に対処すれば、環境を保護し、生命と自然を守ることは可能だと思います。』
  • グーグル「中国撤退」の不可解な論理

    グーグル中国でのサイバー攻撃などを理由に撤退をちらつかせているが、これは誤った理由に基づく誤った行動ではないか テクノロジー系ブログ世論の大勢と違って、私はインターネット検索最大手のグーグル中国政府に突きつけた「最後通牒」にあまり感心していない(グーグルは1月12日、検閲なしでの検索サービスが認められなければ中国から完全撤退する意向を示した)。 もちろん、どんな企業だって過ちを犯す。グーグルの経営陣は、検閲を受け入れて中国に進出するという自分たちの決断が大失策だったことに気づいたのかもしれない。過去の過ちを正す権利は彼らにもある。 だが、理由として「中国の人権活動家のGメール(グーグルの電子メールサービス)のアカウントに対するサイバー攻撃」というメロドラマ的な言い訳を掲げるのはいかがなものか。 自分たちは中国政府を信頼していたとでも言いたいのだろうが、そんな話は説得力に欠ける。実際に被

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    ruletheworld 2010/01/16
    オレオレ論理を展開するためにgoogleが中国参入の時の論理の断片を恣意的に利用しているだけ。外交研究が専門らしいが、こういう手合いがポッポの排出量25%削減が流れた時に付帯条件を無視して難癖付ける危険人物
  • COP15に見る「アメリカという途上国」

    COP15は目標値設定を先送りし、排出ガス削減義務の宣言も見送るなど、今ひとつの成果に終わりました。日の交渉も実務当局は頑張ったようですが、世論や財界がしっかりまとまっていないので迫力に欠けていました。全世界を厳しい目標値に誘導することは、環境ビジネスのチャンスを生むだけでなく、低い生産技術の使用が高コストになることで日の産業界の比較優位を生み出します。そんな「競争のルール」の取り決めを戦っている、しかもそれは日の国益に合致するという決意をもっと固めておかねば、相手のある戦いには不十分です。 今回の失敗の原因は中国ですが、アメリカがなかなか前向きにならないというのも、大きな要因だったように思います。そもそも2005年比で17%削減という低い目標を掲げたのでは、11月27日のエントリで申し上げたように最初からヤル気などないに等しいわけですが、ではどうして「チェンジ」を掲げて当選したオバ

  • 温暖化否定派のホープ、マーク・モラノの逆襲

    真実はどこに? 12月14日、コペンハーゲンでCO2削減や社会正義の実現を求めて抗議する人々 Christian Charisius-Reuters 地球温暖化に懐疑的な立場で知られるジム・インホフ米上院議員(共和党)の広報担当を長年務めていたマーク・モラノは、今年になってその職を辞し、「クライメート・デポ」というウェブサイトを立ち上げた。「地球温暖化は心配に及ばない」という持論を証明する情報を集めて紹介するサイトだ。 インホフの下で働いていた時期のモラノは、広報担当というより通信社のような存在だった。気候変動問題に関心のある記者たちに毎週、ときには毎日のように大量のメールを送信した。送り先は5000人に上った。 私のメールボックスにはほとんど常にモラノからのメールがあるが、私が特別というわけではない。ニューヨーク・タイムズ紙も、モラノが多くの記者に送っていた「嵐のメール」について記事を書

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