日本近海に眠るレアアース(希土類)や希少金属のありかを探る新しい研究調査船の建造に、文部科学省と海洋研究開発機構が乗り出す。海底資源は、沖縄や小笠原諸島(東京都)の周辺などで存在が確認されているが、詳しい分布や量ははっきりしていない。新しい研究調査船で調査を急ぎ、採掘につなげたいという。 沖縄や小笠原で 近年、海上保安庁や東京大などの調査で、日本周辺の分布海域がおおまかに分かってきた。沖縄や小笠原諸島近海には、海底から熱水とともに噴き出た鉱物が沈着した「熱水鉱床」が点在し、希少金属のガリウムやビスマスなどが豊富に含まれているという。ガリウムは発光ダイオード(LED)に利用される。ビスマスは、低温でも溶ける合金の材料として、温度上昇を感知して放水するスプリンクラーに使われている。また、小笠原諸島の南鳥島付近には、強力な磁石に欠かせないネオジムやジスプロシウムなどのレアアースを含む泥が分布して