火星の2つの衛星は、巨大な天体が火星に衝突して生まれた――そんな研究結果を、東京工業大学などが7月4日に発表した。 火星は「フォボス」と「ダイモス」という、いびつな形をした衛星を持っている。その起源をめぐっては、(1)小惑星が火星の重力に捉えられて衛星になった、(2)巨大な天体が火星に衝突し、その破片が集まってできた――という説があったが、研究が進んでいなかった。 研究チームは、火星に巨大な天体が衝突したと仮定し、破片の動きをシミュレーションした。衝突直後、巨大な衛星が1つ誕生し、その重力によって周辺の破片が集まることを確認。巨大な衛星は火星に落下して消滅したが、残る破片の集まりがフォボスとダイモスになったと考えられるという。 成果は、科学誌「Nature Geoscience」(電子版)に7月4日付で掲載された。 関連記事 NASA研究のレーザー推進なら3日で「火星の人」に? 「理論的に