7R、デンカオセーン・カオウィチットの度重なるホールドに、首をかしげる亀田大毅=2月7日、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホール(山下香撮影) 「何回も言うけど、オレ、そんなに強くないんです。必死にやってるだけですから」。試合前のたけだけしい顔とは違い、試合後はつきものが落ちたように亀田大は語った。日本初の兄弟世界王者は「亀田家」という呪縛(じゅばく)からようやく解放されたようだった。 世界タイトルは奪った。だが、後味の悪さは残る。デンカオセーンがクリンチするたびに亀田大は顔をしかめ、両手を広げてレフェリーにアピール。6、11回にホールディングで王者が減点される。このあたりから流れが変わった。デンカオセーンは「変なポーズをとったり、トリックが多かった。演技をやめてフェアに試合してほしい」と悔しそうに話した。 前回対戦では接近戦で王者の老獪(ろうかい)さに振り回された亀田大。「クリンチ対策」を