7人が死亡した腸管出血性大腸菌O(オー)157の集団食中毒で、札幌市保健所と道が情報の公表を巡って混乱したことについて、札幌市の上田文雄市長は29日の定例記者会見で「二重行政かというと違う」と述べ、高橋はるみ知事が言及した「二重行政の弊害」に反発した。 同保健所が感染源を岩井食品の浅漬けと断定し、流通先を公表したのは14日だったが、道の公表は「情報が不確か」として翌15日だった。上田市長は「連携に不十分な印象を与えたのは残念」としつつ「互いの領域で仕事をしている。(情報の精査に)時間がかかる、タイムラグの問題」と強調した。 同保健所によると旭川市の30歳代女性が札幌市のホテルで浅漬けを食べ、食中毒を発症していたことが新たに判明し、29日現在の発症者は134人となった。同保健所は同日、市内で食品を製造する2000社に、食中毒への注意を呼び掛ける文書を郵送した。