国土交通省と農林水産省が今年度、自治体への補助金のうち工事費を除いた「事務費」分約840億円を廃止したことがわかった。全国の自治体で、この事務費を裏金としてプールするなどの不正経理が相次いで発覚したため、「原資」を絶つという抜本的な対策に踏み切った。同時に、自治体の重荷になっていた国の直轄事業への地方負担金が段階的に廃止されており、自治体側もやむを得ないと判断した。 国の今年度予算で自治体に支給される補助金について朝日新聞が調べた。廃止された事務費は、道路整備など自治体が実施する公共事業の一部を国が負担する補助金のうち、事務作業に必要な物品購入費や職員の出張旅費など。予算規模は計約840億円で、工事費を含めた国交、農水両省からの補助金総額の3%弱にあたり、両省分で国からの支給のほとんどを占める。代替措置として自治体は、必要な事務費を地方債の対象として起債できるようになった。 会計検査院